中央大学附属横浜高等学校の特色と入学するための受験対策
数ある高校の中で、お子様に一番合った学校を選ぶというのは容易なことではありません。3年後の大学受験を視野に入れるのか、または大学附属校で学ぶのか。これもまた選択に迷いますよね。
志望校選びに重要なのはその学校をよく知り、そこで実際にお子様が学んでみたいと魅力を感じるかです。そして親御様はもちろん、受験されるお子様が納得した上で受験されることをおすすめ致します。
中央大学を系列にもつ附属高校は首都圏にいくつかあります。
今回は、神奈川県横浜市にある中央大学附属横浜高等学校(男女共学)を志望される親御様へ向けての学校情報と、合格を勝ち取るための受験対策についてお伝えします
学校の特色
校訓
「謝恩礼節・自立実践」
伝統ある実学と家族的人間関係に重点をおいています。
教育理念
学校訓の下、知性や徳性の向上と健全な心身の自立を目指し、人間の幸福と社会発展に寄与する意思と実行力を備える人間を育成していきます。
教育方針
*謙虚に学ぶ姿勢を育てる
*肯定的な心で人生を生きるよう育てる
*他者理解と知性や行動力のあるリーダーを育てる
*フロンティア精神(努力と挑戦)を育てる
クラス編成やカリキュラム
中央大学附属横浜高校は中学からの内部進学生徒が多く、高校生からの募集人数は合計100名です。
生徒一人一人が様々な課題を解決するために自ら考え行動し、大学や社会で通用する学力を定着していきます。
また、中央大学のオープンキャンパスやガイダンス、一部の学部の授業のオンライン受講など、附属校ならではの機会にも恵まれています。
- クラス編成
高校1年生では中学からと高校からの入学生は別クラスとなり、2年生からは混合クラスとなります。
- カリキュラム(1年生)
*高校からの入学生のみのクラスで学習進度を調整する(中学部の先取りに合わせる)
*英数国の基礎学力をしっかりつける
*補修や様々な講習を実施する
- カリキュラム(2年生)
*中学からの内進生との合流クラスが始まる
*文系・理系にコースが分かれ、志望別のクラス編成で授業を行う
- カリキュラム(3年生)
*国公立を含めた他大学への進学希望者への学習や進路の指導も並行される
*中央大学(文・理)や他大学(文・理)受験に向けて総合学力の徹底を図る
一人一台PCの実現により、学習を通して教員やクラス内でのコミュニケーションはもちろん、積極的な学びへの取り組みが活発です。現代を生きる生徒へのICT教育にも熱心に取り組んでいます。
研究・行事・体験
四季折々様々な行事が行われ、自ら考える力を養い自主性が培われる大切な体験となります。このような積み重ねが未来への財産となることは間違いありません。
中でも、9月に行われる紅央祭や体育祭は、中学と高校の6学年が合同で行い、学年の垣根を超え生徒全員が一丸となって取り組む行事です。
(その他の行事)
*芸術鑑賞会:座禅、狂言鑑賞など
*海外研修:カナダ(高1)、シンガポール・マレーシア(高2)
*検定試験や英語スピーチコンテスト
*高大連携講座の受講 など
クラブ活動
文武両道、学問と部活動も全力投球なのが、中大附属横浜の強みです。
運動部、文化部とも中学生との合同が多く、先輩後輩の絆も深まります。
将棋部は高校新人個人戦の大会で、12月の全国大会出場予定です。
卒業後の進路
高校3年間の成績を重要視し、中央大学への内部推薦を行います。
卒業生の約70%が系列の中央大学へ進学。2020年度の結果は以下の通りです。
法学部が一番多く、商、経済、理工、文、総合政策、国際情報、国際経営の順となっています。医学、歯学、薬学系など国公立や他の私大へ進学する生徒もいます。
学校アクセス
・横浜市営地下鉄「センター北駅」徒歩7分
・横浜市営地下鉄グリーンライン「東山田駅」徒歩12分
制服
男子:冬服(4つ釦紺ブレザー、スラックス、ストライブネクタイ)
夏服(白シャツ、白ベスト、チェック柄スラックス、ストライブネクタイ)
女子:冬服(チェック紺プリーツスカート、白シャツ、紺ハイソックス、正装時はネクタイ、それ以外の時はリボンも選べる)
夏服(水色シャツ、チェック柄プリーツスカート)
着やすさと、品位、知性をコンセプトにした制服は、クールビズ期間中はノーネクタイ、ノーリボンも可能です。
入学試験について
入試方法と日程(2022年度入学)
*推薦入試(30名):1月22日(書類審査と面接)
*一般A方式入試(30名):来校不要(書類審査のみ)
*一般B方式入試(40名):2月12日
◎検定料は各々30,000円
- 出願方法
インターネット出願並びに出願書類の郵送
- 学費
高校1年時にかかる費用は以下の通りです。
*入学金:290,000円
*年間費(1年時):1,075,200円
(内訳)・授業料588,000円・施設費 290,000円・PTA会費 10,000円・生徒会費 7,200円
・学年費 65,000円・積立金 115,000円
その他、教科書代や学校指定用品代等が別途必要になります。
- 入学試験対策について
中央大学附属横浜高校の入試方法は、推薦入試(書類審査と面接)、一般入試(A方式)の書類審査、そして一般入試(B方式)3科学力テストと書類審査となります。
ここでは一般入試(B方式)の入試問題を分析しながら受験対策についてお伝えします。
- 国語(50分)大問は3つ
問題冊子は23頁程。
- 古文(指示語、理由説明など)
- エッセイ文(漢字、語彙の意味、指示語の抜出し、副詞・助詞など記号選択と記述)
- 論説文(漢字、品詞、線部分の理由説明など漢字以外は記号選択)
対策:古文は数行程度の短いものの抜粋で、注釈を含めて語彙の意味が載っています。
登場人物関係図なども載せてありますので、基本用語やルールをおさえておけば良いでしょう。
2つ目の長文は8頁程度の長い文章ですので、先に問題に目を通してから答えを探すつもりで読み進めたほうが賢明かもしれません。
特に記号選択は、消去法で答えを探すと答えが見つかり易いです。
50分間の時間配分を考えた上で、テストに臨みましょう。
また普段から、エッセイや論文(理系の内容等)を読むのに慣れておくと、論理的思考も身に付き適格な答えを導く力に繋がります。
- 数学(50分)大問は6つ
問題冊子は12頁程度。
- 計算問題(絶対値、√計算など)
- 因数分解、2次・連立方程式、サイコロの確立、面積の合同条件、円錐と面積比
- 放物線とグラフによる面積や式を求める問題
- 連立方程式による説明問題
- 平面図形(√を使った周や面積)/立体図形(整数比や面積)
対策:計算分野は基本的な問題なので、日々の訓練を怠らないようにしましょう。
サイコロ確率問題は他校でも頻出度が高いため、押さえておきたい分野です。
放物線と関数グラフの座標・面積問題等もよく出るので、苦手な人は基本からきちんと理解しておくと良いですね。平面や立体、回転図形も図形問題として公式をしっかりインプットし、練習問題を重ねておきたいですね。
- 英語(50分)大問は9つ
- リスニング問題(①対話の穴埋め②対話の内容選択③記載質問への記述解答)
- 会話文穴埋め(最初の文字と文字数の記載あり)
- 前置詞、助動詞、代名詞等の選択
- 会話文の並べ替え
- 短文読解と条件に従った英作
- 会話文中空欄への条件に従った英作
- グラフを含む英作レポート読解(内容一致や文脈並べ替え)
- イラストや表、グラフの読み取り
- 統計データを用いた3人の会話文読み取り
対策:
リスニング中にメモを取ることは可能ですが、内容を聞き逃さないように集中しましょう。
いわゆる長文問題はありませんが、会話(対話)文を使った内容理解を求める問題が大問に多く見られます。グラフやデータ内容を理解しながら、どういった会話がなされているのか、趣旨や結論を把握する力が問われています。
普段から図や資料などを意識して読み取る力をつけておけば、英語はもちろん他の科目対策にも役立ちます。
品詞の使い分け問題は、文法や基礎事項の徹底理解はもちろんですが、長文読解に慣れておくと、自然とそれらも身に付いていきます。
単に語彙や文法事項を暗記するだけでなく、与えられた課題を分析し、解答に導く力が試されていると思われます。
最後に
いかがでしたか?
入学後の一年間は、中学からの内進生が先取りをしている内容の手厚い指導とフォローアップがあります。入学生が少人数である強みは、一人一人に教員の目が行き届き、仲間との絆が深まることです。2年生から全ての生徒が交わることで視野が広がり、多様性を養う機会が増えていきます。
また、卒業後は中央大学に進学したいというお子様には、特に最適な附属高校と言えるでしょう。