日東駒専中学に入学することのメリットと受験対策

中学校から大学までエスカレータ式に進学できる中学校に入学すれば、付属大学への進学がほぼ保障されます。中学生、しいては小学校高学年の時点で大学への進学を確実にできるのです。中学受験と大学受験では問われる能力、出題される科目などが異なるため、小学生までは勉強が得意だったのに、中学生以降は結果がでないというお子さんも少なくありません。大学進学を早いうちから見越して、お子さんの進路を検討することはとても大切なことなのです。
大学付属中学校は数多く存在しますが、日東駒専中学はその中でも人気を集めています。日東駒専とは、日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の頭文字をとった大学群で、東京都に本部を置く準難関私立大学です。MARCHに次ぐレベルの私立大学群であり、大学受験で合格を勝ち取るためには勉強をきちんと行う必要があります。
本記事では、日東駒専中学に入学するメリットを説明した上で、受験対策の方法を学校別に紹介していきます。

日東駒専中学に入学するメリット

中学から大学まで内部進学できる

日東駒専付属中学に進学すれば、エスカレータ式で大学まで進学できます。日本でも有数の大規模キャンパスを誇る日本大学は数多くのグループ校を持っており、いずれの付属校に進学しても大学までエスカレータ式で進学できます。地方にお住まいの方にとって都心の大学付属校の選択肢は限られているため、貴重な存在となっています。また、駒澤大学の付属校は高校のみとなっているので注意が必要です。お子さんを中学生の段階で駒澤系列において学ばせたい親御さんには、女子の場合は駒澤学園女子という選択肢もあります。
日東駒専について「中堅大学」という見方が一部からあることも事実です。しかし、日東駒専は簡単に入学できる大学ではありません。日東駒専に進学するためには、大学受験生全体の30%以内に入らなければいけないと言われています。また、最近は、私立大学難化の影響を受けて、日東駒専の難易度はこれまで以上に高まっています。
日東駒専を卒業していれば、就職活動において早慶・MARCHにやや劣るものの、自分の努力しだいでいくらでも大きな成果を出せます。こうしたことからも、「子供には中学校進学と同時にある程度の学歴を保証してあげたい」と考える親御さんから、日東駒専中学は人気を集めているのです。

質の高い教育を受けられる

日東駒専中学ではオリジナリティが高く、かつ質の高い教育を受けられます。たとえば、日大系列の中学ですと外国語教育にも力を入れており、海外研修プログラムや英語スピーチコンテストなどがあります。また、東洋大系列の中学では勉強だけでなく、生き方について学ぶ機会も多数用意されています。先哲の思想を学ぶ倫理や古今東西の名著精読などにふれることも教育において重要視されているのです。専修大系列の付属中学も魅力的なカリキュラムであり、語学に力を入れたいお子さんや、多彩なイベント・日本の伝統文化を楽しみたいお子さんにおすすめできます。
日東駒専中学では質の高い教育を受けられるため、国立大学、早慶・MARCH、さらには海外の大学に進学する生徒も少なくありません。日東駒専中学は中学受験においては中堅レベルの学校として位置付けられていますが、中学生からの努力しだいでさらなる飛躍を期待できるのです。

日東駒専中学に入学するための受験対策

日東駒専中学の人気は2020年頃から急増しています。その背景には、大学入試改革、私立大学の難化などがあります。日東駒専中学に入学するためには、受験標準レベルの問題をそつなく解けるようにし、各学校独自の対策を行う必要があります。

日大系列の中学受験対策(日本大学第一・日本大学第二・日本大学第三・日本大学豊山・日本大学豊山女子・日本大学・日本大学藤沢)

・算数
基本から標準レベルの問題が出題されます。
還元算を含めた計算力をきちんとつけておくことが大切です。
あわせて、図形の演習問題もしっかり解答できるようにしておきましょう。

・国語
長文読解の中では、漢字、文法、慣用句、ことわざが問われます。
また、問題数が多いため、文章をスピーディーに読み解く力が必須です。

・理科
物理、化学、地学、生物から均一に出題されます。
知識を問う問題だけでなく、計算して数値を求める問題も出題されます。
基本から標準レベルの問題を解けるようにしておくことがポイントです。

・社会
地理、歴史、公民の基本知識をおさえておくことが前提です。
知識を問う問題にあわせて、資料の読み取り問題も出題されます。

東洋大系列の中学の受験対策(東洋大学京北)

・算数
標準問題からやや難レベルの問題が出題されます。
問題を定められた時間ですばやく解答する処理能力が問われます。

・国語
難易度は年度によって差があります。
長文、漢字、慣用句、ことわざなど、基礎からやや難レベルまで解答できるようにしておく必要があります。

・社会
自分に馴染みのない統計資料の読みとりや意表を突く問題の対処をできるかが問われます。
解答形式が混在しているため、自分の持っている知識を応用して問題を解く力が求められます。

・理科
物理、化学の計算問題は比較的難しいのできちんとした対策が必要です。
科学的内容では時事問題も出題されます。

駒澤大系列の中学受験対策(駒澤大学付属中学はなし、学校法人駒沢系列としては駒沢学園女子)

駒澤大学の付属校は高校のみ(駒澤大学高等学校、駒澤大学附属苫小牧高等学校)となっています。

駒澤大学を経営する学校法人駒沢学園は駒沢女子大学の経営も行っています。
駒沢女子大学には駒澤学園女子中学校が付属校としてあり、少なくない数の生徒さんたちが駒沢女子大学にエスカレータ式で進学しています。
お子さんを中学生から駒澤系列の学校で学ばせたい方には、駒沢女子学園を検討されても良いでしょう。
駒沢女子学園の合格難易度は日東駒専付属中学とほぼ同程度です。基礎から基本レベルの問題をしっかりと解答できる力を身に付けて受験に挑む必要があります。

専修大系列の中学受験対策(専修大学松戸)

・算数
標準レベルの問題が各分野から幅広く出題されます。
基礎固めを確実に行うことが高得点をとるコツです。

・国語
選択式問題のみならず、書き抜き問題も多く出題されます。
表現力や文章力を身に付けておくことが大切です。

・社会
基本的な内容を問う問題が出題されますので、基礎知識をしっかりと身に付けておきましょう。

・理科
各分野から幅広く出題され、内容に偏りはありません。
基本的な知識を問う問題がほとんどです。

まとめ

私立大学難化などの影響によって大学付属中学の人気は急増しています。日東駒専中学は関東圏の準難関私立大学群の付属校として知られる日東駒専の付属校であり、中学から大学までエスカレータ式でほぼ進学できます。また、付属大学に進学しない生徒も半数程度おり、国立大学や早慶・MARCHへの進学者も多いです。
日東駒専大学は中堅大学と位置付けられることも多いですが、簡単に進学できる大学群ではありません。中学入学と同時に日東駒専クラスの大学にエスカレータ式で進学できる選択肢をつくっておくことで、高校3年生の時に安心感を得られるでしょう。
日東駒専中学に進学するためには各教科の基礎固めを行い、さらに標準レベルの問題もしっかりと解けるようにしておく必要があります。あわせて、受験する学校の問題形式や問題の特徴になじんでおくと良いでしょう。