総合型選抜に受かる人・落ちる人の特徴15個! 面接は?
近年、総合型選抜(旧AO入試) に受かって志望大学へ合格する人が増えています。
一方で、総合型選抜の受験を考えている人の中には、
「総合型選抜に受かる人ってどんな人?」
「総合型選抜に落ちる人ってどんな人?」
「総合型選抜に受かる人はどんな対策をしていたのだろう?」
と悩む人もいるでしょう。
知り合いに総合型選抜に受かった人がいないと、わからないのは当然です。
そこでこの記事では、総合型選抜に受かる人・落ちる人の特徴や面接で受かるコツなどを解説していきます。
総合型選抜に受かりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
総合型選抜の選考方法5種類
総合型選抜(旧AO入試)は、大学入学共通テストや二次試験とは異なり、書類選考や面接などを通して、熱意や個性、潜在能力などを評価する入試方式です。
選考方法は大学によって異なりますが、代表的な5種類を紹介します。
書類選考
志望理由書、調査書、自己PR書、活動報告書、ポートフォリオなど、選考対象となる書類はさまざまなものがあります。
これらの書類により評価することは、以下のようなことです。
- 受験生にどのくらい学習意欲があるか
- 高校3年間をどのように活動をしてきたか
- これからの目標は何か
- この大学、学部を志望している理由は何か
総合型選抜(旧AO入試)の選考では、これらのことを提出した書類により判断します。
受験生の学習意欲や目標、これまでの活動などを評価します。学校側で各調査書とは異なり、志望理由書やポートフォリオは自分で書く必要があります。
高3になってから慌てて書くのではなく、早い段階から書いて積み上げておくことが大切です。
※ ポートフォリオとは、学習履歴をまとめた記録や自分の実績を相手にアピールするための作品をまとめたものです。
小論文
小論文では、受験生の思考力や表現力、課題解決能力などを評価します。
テーマは大学や学部によって異なり、自由テーマ、指定テーマ、資料提示型などがあります。以前は、ある意見に対する賛成か反対かの意見を明らかにして、その理由について論述するという出題形式が多かったのですが、出題傾向が変化しました。
与えられたテーマに対して主体的、論理的に記述していくことが求められる出題形式が多くなってきています。普段から自分で考えて論述するトレーニングをして対策することが求められているのです。
面接
面接では、受験生のコミュニケーション能力や主体性、協調性などを評価します。大学や学部によっては、個別面接や集団面接などの形式を採用することもあります。
一般的に面接で尋ねられる質問には、「なぜこの大学・学部を志望したのか」と「興味や関心のあることは何か」というものがあります。これらの質問に対する受験生の回答を通じて、その人の大学への意欲や適性を判断します。
個人面接では、提出した書類の内容をもとに受験生の熱意や意欲、大学・学部のアドミッションポリシーへの適合性を評価します。
プレゼンテーション
プレゼンテーションは、受験生が自らの自己PRや志望動機を述べる機会であり、その後に試験官からの質問に適切に応答することが求められます。
さらに、一部の大学では特定のトピックについてのプレゼンテーションを要求する場合もあります。この場合、受験生のプレゼンスキルや説得力が評価の対象となります。
大学がプレゼンテーションを採用する理由は、現代社会において必要とされる能力と密接に関連しています。
情報社会において、正しい情報を見極める能力や、その情報をもとに自らの意見や考えを形成する力が重視されています。
グループディスカッション
グループディスカッションは、受験生同士が集まり、特定のテーマについて話し合う機会です。一般的には、みんなで討論型やディベート型の形式が取られます。
この場で面接官は、受験生たちのグループ内での役割分担や協調性、個性などを見極めます。グループディスカッションでは、出題されるテーマは多岐にわたり、その都度異なります。
通常は、数名の受験生が一つのグループを構成し、与えられた時間内にテーマに関する意見を交換します。その際、面接官は基本的にタイムキーパーとしての役割を果たし、議論には介入しません。
学力試験
すべての大学ではないのですが、学力試験として大学入学共通テストや独自試験などを課し、基礎学力を評価しています。最近では、総合型選抜(旧AO入試)に学力試験を導入する大学が増加傾向にあります。
総合型選抜(旧AO入試)は学力試験がないと思い込んでいる人がいるかもしれませんが、学力試験がある大学や学部があるので注意してください。
ここでの学力試験とはペーパーテストを意味します。国立大学や難関私立大学では学力検査を実施するところが多数あります。
総合型選抜で受かる人の特徴10個
総合型選抜(旧AO入試)は、書類選考や面接などを通して、熱意や個性、潜在能力などを評価する入試方式です。明確な合格基準は示されていませんが、合格者には共通する特徴があります。
ここでは、総合型選抜で受かる人の特徴を10個紹介します。
1.アドミッションポリシーを適切に理解している
アドミッションポリシーを理解している人は、合格率が高い傾向があります。アドミッションポリシーは総合型選抜(旧AO入試)の柱とも言えます。
各大学や学部はそれぞれ異なる入学者像を求めており、成績や活動実績だけでなく、アドミッションポリシーにも適合する必要があります。
志望する大学・学部がどのような学生を求めているかを知ることが重要です。
2.志望する大学・学部が求める人物像にマッチしている
総合型選抜で受かる人は、志望する大学・学部が求める人物像にマッチしています。大学・学部が求める人物と評価されるには、アドミッションポリシーだけでなく受験資格を充足している必要があります。
大学・学部が求める人物像は募集要項を確認すればわかります。募集要項の最初の部分に記載されている場合がほとんどなので、募集要項をしっかりと読み込めばわかるのです。
3.大学が求める十分な学力がある
総合型選抜(旧AO入試)では、一般入試のような学力試験が実施されることはあまりありません。ただし、ほとんどの大学では、評定平均に一定の基準を設定しています。
難関大学では評定平均4.0以上の基準を設定していて、条件を満たさない生徒は出願できません。学校の勉強を頑張って、評定平均を高くするよう努力することが大切です。
総合型選抜に受かる人は塾へ通って学力をつける努力をしています。
4.指定された資格を取得している
総合型選抜で受かる人は、志望する大学・学部で指定されている資格を取得している傾向があります。
特に英語関係の資格が優遇資格として指定されていることが多いのです。一定のレベル以上の英検やTOEICなどの英語資格を総合型選抜(旧AO入試)の出願条件としている大学も多数あります。
また、数学検定が出願条件になっている大学や学部もあります。そのため、英検や数学検定の対策をしている塾も数多くあるようです。
5.課外活動で実績がある
総合型選抜で受かる人は、課外活動で実績がある場合が多いです。課外活動で実績を残してすことは、目標に向かって取り組んでいく行動力があることを証明できるため試験担当官にアピールできます。
総合型選抜(旧AO入試)で評価される課外活動の実績としては、以下のことがあります。
- スポーツの全国大会へ出場した
- 将来の目標に役立つ資格を取得した
- 部活動で実績を出すために主体的に活躍した
- ボランティア活動を積極的に行い社会貢献した
6.好印象を与える個性やエピソードがある
総合型選抜(旧AO入試)を行う大学は、学力だけでなく、生徒が持っている個性に注目します。
またエピソードも重視します。高校時代にどんな経験をしたのかというエピソードは人それぞれです。アピールしやすいエピソードは、課外活動です。
エピソードをアピールできるようにするには、普段から小さな事でもいいのでメモしておくといいでしょう。
本人にとって小さなことでも、着眼点を変えると個性をアピールできるエピソードになることがあるからです。
7.将来やりたいことがはっきりしている
総合型選抜で受かる人は、将来やりたいことがはっきりしています。
総合型選抜(旧AO入試)は文部科学省が「意欲や目的意識などを総合的に判定する入試方法」と定義しています。総合型選抜(旧AO入試)では、具体的な目標を持ち、関心分野を勉強し、大学での学びの意義を理解する受験生が好まれます。
将来の目標に向かって努力する姿勢が受かりやすい要因です。
例えば、以下のような特徴のある受験生です。
- 将来やりたい職業が明確になっている
- 興味や関心のある分野が明確で学び始めている
- 志望大学で学ぶことが将来に役立つかどうかを調査している
8.自分を表現する能力がある
総合型選抜で受かる人は、自分らしさを表現できます。
総合型選抜(旧AO入試)を実施する大学は個性や人間性も評価し、自己表現が評価されるのです。自分らしさをアピールする人は部活や興味のあることを追求し、コミュニティで活動しています。
勉強以外の興味を行動に移すことが評価されます。自己を表現するエピソードも重要で、個性を強調し活動の意義を示すことがポイントです。
9.面接や小論文の対策をしている
総合型選抜に受かりやすい人は、面接や小論文の対策をしています。総合型選抜(旧AO入試)を実施する多くの大学では、面接や小論文が必要です。
対策をすると、複数の大学の総合型選抜(旧AO入試)へ出願できます。
面接は先生や友人に練習を頼み、フィードバックを受けると改善できます。小論文は添削を活用し、簡潔にまとめることが重要です。
志望する大学・学部の面接や小論文の傾向に合わせた対策をすることも可能です。総合型選抜(旧AO入試)の面接や小論文の対策をしている塾もあります。
10.総合型選抜に対する準備を早めに進めている
総合型選抜で受かりやすい人は、早めに準備を進めています。総合型選抜(旧AO入試)は一般の大学試験よりも日程が早いため、早い段階で志望校や学部を決定する必要があります。
2年生の時期は、大学のオープンキャンパスや模擬講義などに参加し、自分の進路を見つめ直す良い機会です。受験する大学のアドミッションポリシーや過去の面接質問など、情報収集も重要になります。
これらの準備を早めに進めることで、受験対策がよりスムーズにできるのです。塾へ通っている人は、総合型選抜(旧AO入試)の準備を早めにしています。
総合型選抜で落ちる人の特徴5個
総合型選抜(旧AO入試)は合格基準が明確に示されていないため、準備不足や勘違いによって落ちてしまう人も少なくありません。
総合型選抜で落ちる人はどんな人なのか気になるでしょう。ここでは、総合型選抜で落ちる人の5つの特徴を紹介します。
1.将来の目標や大学入学の目的が明確でない
総合型選抜(旧AO入試)に合格するためには、明確な目標や目的が重要です。
出願時には志望理由を問われます。自分の将来の方向性や大学で学びたいことを整理して伝える必要があります。
また、志望大学や進路を選択した理由も考えることが重要です。目標がある人は、その目標に向かって何をしたいかを明確にし、夢を追い求める姿勢を試験担当官に伝えることが求められます。
これらのことができていないと総合型選抜(旧AO入試)に合格するのは難しいのです。
2.志望する大学・学部の特色を理解していない
総合型選抜(旧AO入試)では、志望大学や学部・学科の特色やできることを理解していないと受かりにくい傾向があります。
自分の目標が明確でも、大学が求める人材とマッチしなければ合格できないからです。志望理由は、大学・学部・学科の特色や自身の経験・能力とが合致していることを示す必要があります。
一方的な理由ではなく、大学の期待や育成方針に合致することが重要です。自分の適性や学びへの貢献を示すことが合格の鍵となります。
3.課外活動の十分な実績や条件を満たす資格を取得していない
総合型選抜(旧AO入試)の受験を考える人にとって、課外活動の実績や資格の有無は重要です。
総合型選抜に受かる人は課外活動の実績や資格があるケースが多いのですが、それらがなくても受験できる大学はあります。しかし、課外活動の実績や資格が必須の場合もあるので、総合型選抜(旧AO入試)の合格を目指すのであれば準備しておくことが大切です。
例えば、部活やボランティア、留学の実績や英検などの資格取得は有効ですが、志望校に合わせて選ぶ必要があります。志望校が決まっていない場合は、英検などの資格を取得するといいでしょう。英検対策は塾などを活用するのをおすすめします。
4.面接の対策をしていない
総合型選抜(旧AO入試)を受ける際、面接対策が不十分な場合は不利になります。
面接は志願者の真剣さや適合性を見極める重要な選考手段です。志望理由や活動報告書を基に行われ、自己の思いを伝えるためには準備が必要です。知識や考えを整理し、自然な言葉で表現することが求められます。
模擬面接を通じて練習したり塾で対策したりして、論理的に伝える方法やマナーにも注意を払いましょう。準備を怠らず、自信を持って臨むことが重要です。
5.小論文の準備をしていない
志望校が小論文を要求する場合は、事前に対策をしていないと本番で良い小論文は書けません。
志望校の小論文要求に備えるため、論理力や説得力を向上させるトレーニングが必要です。自学自習には限界があるので、塾で指導を受けるのをおすすめします。
総合型選抜(旧AO入試)で小論文が課されることは多いので、しっかりと対策する必要があります。過去問を研究し、志望大学・学部の出題傾向を把握することが大切です。
小論文対策が不十分だと、志望理由書が立派でも不合格になることがあるので注意しましょう。
総合型選抜に受かる確率は? 落ちる確率は高い?
総合型選抜(旧AO入試)の合格確率は、大学や学部によってばらつきがあります。
人気の高い大学や学部では、倍率が10倍を超えることもありますが、募集定員の多い大学や学部では、倍率が比較的低くなる傾向があります。2023年の調査によると、国公立大学の倍率は平均2.5倍、私立大学では1.8倍です。
合格率は国公立大学で40%、私立大学で約55%になります。ただし、難関大学では倍率が3倍〜5倍に達し、合格率は低い傾向にあります。
合格率を高めるためには、適切な対策を講じることが重要です。例えば、志望校の選定や受験勉強の計画を立て、模擬試験の受験や分析などが有効です。
また、志望動機や自己PRの魅力的な表現、面接や小論文の準備も必要になります。
総合型選抜に落ちたらどうすべき?
ここでは、総合型選抜に落ちた場合に取るべき行動を紹介します。
・気持ちの切り替えと原因分析
総合型選抜(旧AO入試) に落ちた理由を分析し、自身の課題を明確にしましょう。
・他の大学・学部へ再挑戦する
他の大学の総合型選抜や、同じ大学の異なる学部の総合型選抜に応募しましょう。
・一般入試へ挑戦する
落ちた大学の一般入試や、他の大学の一般入試を受験しましょう。
・進路を再検討する
大学以外にも、専門学校や職業訓練学校など、将来に合った進路を検討しましょう。
・社会経験を積む
不合格の期間を無駄にせず、アルバイトやボランティア活動を通して社会経験を積みましょう。
・前向きな気持ちで努力を継続する
総合型選抜(旧AO入試)の不合格は、新たな可能性の始まりです。前向きな気持ちで、目標に向かって努力を続けましょう。
総合型選抜に受かる面接のコツ
ここでは、総合型選抜に受かる面接のコツを紹介しますので参考にしてください。
アドミッションポリシーとのマッチング
大学の求める人物像を理解し、自己の強みや経験、学びたいことを具体的に伝える。
提出書類との一貫性を保つ
提出書類の内容を復習し、面接での発言と整合させる。矛盾が信頼性を損なう。
完璧なマナーを持つ
適切な服装、礼儀正しいあいさつ、謙虚な姿勢を心がける。コミュニケーションを大切にし、好印象を残す。
わかりやすい説明
質問の意図を理解し、具体的なエピソードで説明する。論理的な受け答えが評価される。
熱意を示す
大学選択の理由や学びたいこと、将来の目標への熱意を持って説明する。これらのポイントを意識して準備し、自信を持って面接に臨むことで、合格への道が開けます。
面接対策を自分だけでするのは難しいので、対策をしている塾を利用するといいでしょう。
総合型選抜に受かるための対策3個
総合型選抜は、大学進学を目指す生徒にとって重要な選択肢の一つです。受験生が総合型選抜に合格するためには、以下の3つの対策が有効です。
1.学校で優れた成績を収めるよう努力する
将来の選択肢を広げるために、高校生活では評定平均と資格取得を意識しましょう。評定平均は、大学入試や就職活動で重要な指標となります。
特に、高校3年生の1学期までの成績は、評定平均に大きく影響するため、早いうちから計画的に学習を進めることが重要です。
定期テストは、評定平均を上げるための絶好の機会です。手を抜かず、過去問などを活用して対策に取り組みましょう。
資格取得も、将来の選択肢を広げる有効な手段です。自分の目標や興味に合わせて、早めに準備を始め、計画的に学習を進めましょう。
2.自己分析をしっかり行い、自分の強みを把握する
自己分析を丁寧に行い、自身の強みを把握することが大切です。過去の経験を振り返り、ターニングポイントや影響を受けた出来事を整理しましょう。
また、自分がワクワクする状況を確認し、未来の姿を思い描きます。そうすることで、目標に向かうために必要なステップが見えてきます。強みを把握することで、弱みも明らかになります。このような自己分析を通じて、自分の進むべき道が明確になります。
高校時代に自己分析を行うことは将来にも役立つので、この機会に取り組んでみましょう。
3.志望理由を確固たるものにする証拠を収集する
説得力のある志望理由を構築するために、自身の経験に基づいた根拠/エピソードを集めることが重要です。
根拠を裏付けるために、具体例を集める作業が必要になります。課外活動や資格、個人的な経験をブラッシュアップし、自分の軸を確立することが重要です。
小さなエピソードも見逃さずに記録しましょう。高校生活で気づいたことや感じたことをメモする習慣も有効です。自分のエピソードを充実させることで、独自の個性をアピールできます。
まとめ
今回は、総合型選抜に受かる人・落ちる人の特徴15個!、面接で受かるコツなどを紹介しました。
総合型選抜に受かるためには、大学の求める人物像にマッチしていることや目的意識を持って活動してきたこと、将来やりたいことがあること、好奇心旺盛であることが重要です。
総合型選抜(旧AO入試) は大学が想定する人物像に合致する人を選考します。
例えば、明確な目的を持ち課外活動をしてきた人、興味や関心のあることが明確な人、将来したいことや目標が明確な人を対象としています。これらに該当する人は総合型選抜(旧AO入試) に合格する可能性は高くなりますが、該当しなかったとしても落ち込む必要はありません。
これから対策や準備をすれば、総合型選抜(旧AO入試)に受かる可能性は高くなります。この記事で紹介した情報を活用して、総合型選抜(旧AO入試)の合格へ向けて頑張ってください。