文字式の表し方・利用・計算問題の解き方
未知の数を表現するとき小学校では□を使いました。
中学校では□の代わりにxやaのような文字で未知の数を表現します。
この単元では文字を使っていろいろな数量を表現する方法を勉強していきます。
文字式の表し方
1.文字を使って数量を表す
7個のりんごを買った代金を求めるときには次の式を使います。
(代金)=(りんご1個の値段)×(個数)
りんご1個の値段をa円とすると代金は上の式を使って (a×7) 円 と表現できます。
このように値の定まらない量を文字にすることでいろいろな数量を表すことができます。
次の数量を文字を使って表せ。
(1) 1個200円のケーキをx個買って50円の箱に入れてもらったときの代金
(2) x人の友達に2本ずつプレゼントするのに必要な鉛筆の数
(3) 1辺がacmの立方体の表面積考え方
(1) (代金)=(ケーキ1個の値段)×(個数)+(箱の代金)
(2) (必要な鉛筆の数)=(1人にあげる鉛筆の数)×(人数)
(3) (立方体の表面積)=(1辺の長さ)×(1辺の長さ)×(面の数)答
(1) (200×x+50) 円 (2) (2×x) 本 (3) (a×a×6) cm2
2.文字式の表し方のきまり
xやaのような文字を使った式のことを文字式といいます。
文字式の表し方には次のようなきまりがあります。
(1) 乗算の記号×と除算の記号÷は使わない。
×の記号は省略する 4×a → 4 a
÷の計算は乗算にする 12÷x → 12×”1″ /x = “12” /x
(2) 数字と文字の積では数字を先に書く。
文字はできるだけアルファベット順に並べる。
c×a×8×b → 8abc
(3) 1と文字の積や-1と文字の積では1を省く。
1×x → x -1×x → -x
(4) 同じ文字どうしの積はそれぞれ累乗の形で表す。
x×x×x×y×y → x3 y2
次の式を文字式の表し方のきまりにしたがって表せ。
(1) y×x×7
(2) (a×2)÷b
(3) y×x×3×y
(4) c×(-1)×a÷(b×3)
(5) m×(-n)×n×8答
次の数量を文字式の表し方のきまりにしたがって表せ。
(1) 120円のノートをa冊買ったときの購入金額
(2) 縦3m、横xmの花壇の周りの長さ
(3) 1辺がacmの立方体の体積
(4) 2mのリボンから30cmのリボンをx本切り取ったときの残りの長さ
(5) 時速5kmでx時間歩いたときの道のり
(6) 定価a円の手帳を3割引で買ったときの代金
(7) 濃度6%の食塩水x gに含まれる食塩の量考え方
(1) (購入金額)=(定価)×(購入冊数)
(2) (周りの長さ)=(横)×2+(縦)×2
(3) (体積)=(1辺の長さ)×(1辺の長さ)×(1辺の長さ)
(4) (残りの長さ)=(はじめの長さ)-(1本の長さ)×(本数)
(5) (道のり)=(速さ)×(時間)
(6) (代金)=(定価)-(定価)×(値引き割合)
(7) (食塩の量)=(食塩水の量)×(濃度)答
文字式の代入・式の値
文字式の中の文字に数をあてはめることを「代入する」といい、代入して計算した結果を式の値といいます。
式の値を求めるときには文字式で省略された×や÷などの記号を補って計算します。
x = 3のとき式の値を求めよ。
答
(1) 3×3+4 = 13
(2) -3×3+1 = -9+1
= -8
(3) 4×3×3-3+7 = 36-3+7
= 40
答
代入する数が負の数のときには( )をつけて代入します。
など累乗されている文字への代入のときは特に注意して行いましょう。
x = -2のとき式の値を求めよ。
答
(1) -(-2)+7 = 2+7
= 9(2) 5×(-2)×(-2)-1 = 5×4-1
= 19(3) 2×(-2)×(-2)-3×(-2)-1 = 8+6-1
= 13
文字式の計算
1.文字式の足し算・引き算
文字式において加法の記号+で区切られたそれぞれの部分を「項」といいます。
また、それぞれの項における数のことを係数といいます。
、-5x 、+3 の3つの項があり係数はそれぞれ8、-5、3になります。
次の文字式の中の項を求めよ。また各項の係数を求めよ。
考え方
答
文字式の加算、減算では、文字の部分が一致する項どうしは係数を加算、減算することでひとつの項にまとめることができます。
文字の部分が異なる項どうしは加算、減算することはできません。
5 a+2 a +8 ab-3 ab+c= (5+2) a+(8-3) ab+c
= 7 a +5 ab+c ←これ以上は計算できない
このようにして計算できるところはすべて計算してまとめることを文字式を「簡単にする」または「整理する」といいます。
次の式を簡単にせよ
答
2.文字式の掛け算・割り算
文字式の乗算は交換法則、分配法則などの計算のきまりを使って計算します。
計算のきまりの復習
(1) 交換法則
加算、乗算の式では
+、×の記号の前後の数字を入れ替えて求めた答えはそのまま計算した答えと等しい。
A+B=B+A A×B=B×A
(2) 結合法則
加算(または乗算)の式で項が3つ以上あるときに、
前の2項を先に計算して求めた答えは後ろの2項を先に計算して求めた答えと等しい。
(A+B)+C=A+(B+C) (A×B)×C=A×(B×C)
(3) 分配法則
ある数と2数の和との積はある数を2数それぞれにかけた積の和に等しい。
A×(B+C)=A×B+A×C
これらの計算のきまりを使ってカッコのある文字式を計算してみましょう。
文字式の除算は乗算に置き換えて計算します。
割る数の逆数をかけると除算を乗算に置き換えることができます。
次の式を計算せよ
答
3.文字式の分数
分数の分母や分子が文字式になっている加算、減算では通分が必要になります。
小学校で学習した分数の加算、減算では各分数の分母の最小公倍数を新しい分母にすることで通分が可能でした。
文字式の分数の加算、減算でも今までと同様に通分します。通分するために分母にある数をかけたら分子にも同じ数をかけることを忘れないようにしましょう。
また2つの分数式を減算する場合には、引く数となる分数の分子の符号を変えて足し算にしてから計算します。
次の式を計算せよ
考え方
(1) 2と3の最小公倍数は6
(2) 3と4の最小公倍数は12答
八王子の家庭教師・個別指導塾の文字式まとめ
この単元では次のことを勉強しました。
◎文字式の表し方のきまり
・乗算の記号×は使わずに省略する。
例) 4×a → 4 a
・除算の記号÷は使わずに乗算に置き換える。
・数字と文字の積では数字を先に書く。文字はできるだけアルファベット順に並べる。
・1と文字の積や-1と文字の積では1を省く。
・同じ文字どうしの積はそれぞれ累乗の形で表す。
◎文字式の代入、式の値
・文字に数をあてはめることを「代入する」といい、代入して計算した結果を「式の値」という。
・式の値を求めるときには以下に注意して計算する。
1) 文字式で省略された×や÷などの記号を補う
2) 代入する数が負の数のときには( )をつける
◎文字式の計算
・加法の記号で区切られたそれぞれの部分を「項」、各項における数の部分を「係数」という。
・文字が一致する項の係数を加減算することで複数の項をまとめることができる。
・文字式の除算は乗算に置き換えて計算する。
・分数の形をとる文字式の加算、減算は通分してから計算する。