数学Ⅰと数学Aの公式一覧と解説
高等学校で履修数学する、数学Ⅰと数学Aで使う公式とその解説をまとめます。
数学Ⅰで使用する公式と解説
A.「数と式」で使用する公式と解説
「数と式」の学習目的は、数を実数まで拡張する意義や集合と命題に関する基本的な概念を理解できるようにすることです。また、式を多面的にみたり処理したりするとともに、一次不等式を事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア) 数と集合
・ 実数・・・数を実数まで拡張する意義を理解し、簡単な無理数の四則計算を行います。
・ 集合・・・集合と命題に関する基本的な概念を理解し、それを事象の考察に活用します。
(イ) 式
・式の展開と因数分解・・・二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深め、式を多面的にみたり目的に応じて式を適切に変形したりします。
・一次不等式・・・不等式の解の意味や不等式の性質について理解し、一次不等式の解を求めたり一次不等 式を事象の考察に活用したりします。
上記の(ア)数と式及び(イ)式の学習の際に使用する公式は、
1.式の整理(単項式、多項式、整式)、
2.指数法則、
3.乗法公式、
4.因数分解公式、
5.有理数、無理数、
6.絶対値の性質、
7.根号を含む式の計算、
8.分母の有利化、
9.二重根号、
10.不等式の基本性質、
11.一次不等式の解法、
12.連立一次不等式の解法、
13.絶対値を含む方程式・不等式、
14.対称式と交代式
の14項目が挙げられます。
B.「図形と計量」で使用する公式と解説
「図形と計量」の学習目的は、三角比の意味やその基本的な性質について理解し、三角比を用いた計量の考えの有用性を認識するとともに、それらを事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア) 三角比
・ 鋭角の三角比・・・鋭角の三角比の意味と相互関係について理解します。
・ 鈍角の三角比・・・三角比を鈍角まで拡張する意義を理解し、鋭角の三角比の値を用いて鈍角の三角比の値を求めます。
・ 正弦定理・余弦定理・・・正弦定理や余弦定理について理解し,それらを用いて三角形の辺の長さや角の大きさを求めます。
(イ) 図形の計量
・ 三角比を平面図形や空間図形の考察に活用します。
[用語・記号] 正弦、sin、余弦、cos、正接、tan
上記の(ア)三角比及び(イ)図形の計量の学習の際に使用する公式は、
1.直角三角形と三角比、
2.三角比の相互関係、
3.90°-Aの三角比、
4.三角比の拡張(180°まで)、
5.直線の傾きとtan、
6.180°-Aの三角比、
7.正弦定理、
8.余弦定理、
9.三角形の辺と角の大きさ、
10.三角形の決定、
11.三角形の面積公式、
12.円に内接する四角形の性質、
13.内接円の半径と三角形の面積、
14.ヘロンの公式
の14項目が挙げられます。
C.「二次関数」で使用する公式と解説
「二次関数」の学習目的は、二次関数とそのグラフについて理解し、二次関数を用いて数量の関係や変化 を表現することの有用性を認識するとともに、それらを事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア) 二次関数とそのグラフ
・ 事象から二次関数で表される関係を見いだします。また、二次関数のグラフの特徴について理解します。
(イ) 二次関数の値の変化
・ 二次関数の最大・最小・・・二次関数の値の変化について、グラフを用いて考察し、最大値や最小値を求めます。
・ 二次方程式・二次不等式・・・二次方程式の解と二次関数のグラフとの関係について理解するとともに、数量の関係を二次不等式で表し二次関数のグラフを利用してその解を求めます。
上記の(ア)二次関数とグラフ及び(イ)二次関数の値の変化の学習の際に使用する公式は、
1.関数、グラフについての基本的な用語、
2.放物線の軸、頂点、
3.放物線の平行移動、
4.二次関数の最大・最小、
5.二次関数の決定、
6.グラフの平行移動、対称移動、
7.二次方程式の解法(因数分解、解の公式)、
8.二次方程式の実数解の個数、
9.二次関数のグラフとx軸の位置関係、
10.二次不等式、
11.二次不等式の応用、
12.絶対値を含む関数のグラフ
の12項目が挙げられます。
D.「データの分析」で使用する公式と解説
「データの分析」の学習目的は、統計の基本的な考えを理解するとともに,それを用いてデータを整理・分析し傾向を把できるようにすることです。
(ア)データの散らばり・・・四分位偏差、分散及び標準偏差などの意味について理解氏、それらを用いてデータの傾向を把握し、説明します。
(イ)データの相関・・・散布図や相関関数の意味を理解し、それらを用いて二つのデータの相関を把握し、説明します。
上記の(ア)データの散らばり及び(イ)データの相関の学習の際に使用する公式は、
1.データの整理に関する基本的な用語、
2.代表値、
3.箱ひげ図、
4.四分位数、
5.分散と標準偏差、
6.共分散、
7.相関関係、相関係数
の7項目が挙げられます。
数学Aで使用する公式と解説
A.「場合の数と確率」で使用する公式と解説
「場合の数と確率」の学習目的は、場合の数を求めるときの基本的な考え方や確率についての理解を深め、それらを事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア) 場合の数
・ 数え上げの原則・・・集合の要素の個数に関する基本的な関係や和の法則,積の法則について理解します。
・ 順列・組合せ・・・具体的な事象の考察を通して順列及び組合せの意味について理解し、それらの総数を求めます。
(イ) 確率
・ 確率とその基本的な法則・・・確率の意味や基本的な法則についての理解を深め、それらを用いて事象の確率を求めます。また、確率を事象の考察に活用します。
・ 独立な試行と確率・・・独立な試行の意味を理解し、独立な試行の確率を求めます。また、それを事象の考察に活用します。
・ 条件付き確率・・・条件付き確率の意味を理解し、簡単な場合について条件付き確率を求めます。また、それを事象の考察に活用します。
上記の(ア)場合の数及び(イ)確率の学習の際に使用する公式は、
1.樹形図、個数の数え方、
2.和の法則、積の法則、
3.順列(パーミュテーション)、
4.円順列、
5.重複順列、
6.組合せ(コンビネーション)、
7.同じものを含む順列、
8.重複組合せ、
9.事象と確率に関する基本的な用語、
10.和事象の確率、
11.余事象の確率、
12.独立な試行の確率、
13.反復試行の確率、
14.条件付き確率、乗法定理
の14項目が挙げられます。
B.「整数の性質」で使用する公式と解説
「整数の性質」の学習目的は、整数の性質についての理解を深め、それを事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア)約数と倍数
素因数分解を用いた公約数や公倍数の求め方を理解し,整数に関連した事象を論理的に考察し、表現します。
(イ)ユークリッドの互除法
整数の除法の性質に基づいてユークリッドの互除法の仕組みを理解し、それを用いて二つの整数の最大公約数を求めます。
また、二元一次不定方程式の解の意味について理解し、簡単な場合についてその整数解を求めます。
(ウ) 整数の性質の活用
二進法などの仕組みや分数が有限小数又は循環小数で表される仕組みを理解し、整数の性質を事象の考察に活用します。
上記の(ア)約数と倍数、(イ)ユークリッドの互除法及び(ウ)整数の性質の活用の学習の際に使用する公式は、
1.約数と倍数、
2.倍数の判定法、
3.素因数分解と約数、
4.最大公約数と最小公倍数、
5.倍数である事の証明、
6.ユークリッドの互除法、
7.二元一次不定方程式、
8.二進法と十進法、
9.二進法の計算、
10.n進法、
11.少数と分数についての基本的な用語、
12.部屋割り論法、
13.合同式
の13項目が挙げられます。
C.「図形の性質」で使用する公式と解説
「図形の性質」の学習目的は、平面図形や空間図形の性質についての理解を深め、それらを事象の考察に活用できるようにすることです。
(ア)平面図形
・ 三角形の性質・・・三角形に関する基本的な性質について、それらが成り立つことを証明します。
・ 円の性質・・・円に関する基本的な性質について、それらが成り立つことを証明します。
・ 作図・・・基本的な図形の性質などをいろいろな図形の作図に活用します。
(イ)空間図形
空間における直線や平面の位置関係やなす角についての理解を深めます。また、多面体などに関する基本的な性質について理解氏、それらを事象の考察に活用します。
上記の(ア)平面図形、(イ)空間図形の学習の際に使用する公式は、
1.平行線と線分比、中点連結定理、
2.内分と外分、
3.三角形の内角と外角の二等分線、
4.三角形の重心、外信、推進、内心、
5.チェバの定理とその逆、
6.メネラウスの定理とその逆、
7.三角不等式、
8.三角形の傍心、
9.円周角の定理とその逆、
10.円に内接する四角形の性質、
11.接線の長さ、
12.接弦定理、
13.方べきの定理とその逆、
14.二つの円の関係、
15.基本的な作図、
16.積、商の長さの作図、
17.平方根の長さの作図、
18.正五角形の作図、
19.空間における二直線の位置関係、
20.平面の決定条件、
21.二平面の位置関係、なす角、
22.直線と平面の位置関係、
23.三垂線の定理、
24.正多面体、
25.オイラーの多面体定理
の25項目が挙げられます。