日本大学生産工学部の内部進学基準と基礎学力到達度テスト対策
日本国内で最も多い学生数を誇る日本大学には夜間部(Ⅱ部)の法学部を含め17の学部があり、約7万人の学生が在籍しています。
そして4つの特別付属校と11の正付属校、さらに11の準付属校の合計26の付属高校があり、これも全国最多です。
付属高校からは毎年、多くの生徒が日本大学への内部進学を決めています。
内部進学に伴い、進みたい学部を希望しても、希望が通るわけではなく、成績上位の生徒から順に希望の学部に進学できるのです。
今回は日本大学の中で、生産工学を教育・研究する生産工学部への各付属高校の内部進学基準を紹介していきます。
日本大学の内部進学システム
日本大学の付属高校から日本大学へ内部進学する方法は、「基礎学力選抜方式」、「付属特別選抜方式」、「国公立選抜方式」の3つです。
引用:日本大学藤沢高等学校HPより
日本大学への推薦制度 / 日本大学 合格実績 | 進路 | 日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校 (nihon-u.ac.jp)
基礎学力選抜方式
全国の日本大学の全付属高校1学年約1万人が一斉に受験する基礎学力到達度テストのうち、高2、高3年の4月と高3年の9月の成績が重視される方式です。基礎学力到達度テストの順位で推薦される学部が決まっていきます。内部進学の約7割が基礎学力選抜方式で決まります。
国公立選抜方式
基礎学力到達度テストの順位によって日本大学への推薦資格を保持した上で、国公立大学の一般受験ができる選抜方式です。国公立大学の受験で不合格だった場合は、必ず推薦された日本大学の学部に進学する必要があります。
付属特別選抜方式
在学中の成績や課外活動、取得した資格などの内申が重視される選抜方式です。志望学部の理念や教育方針に適合する生徒を選抜するのが特徴であり、それに向けた対策が必要となってきます。内部進学の約3割が付属特別選抜方式で進学しますが、中には採用のない学部や学科があるため事前に調べておく必要があります。
付属高校から内部進学するための基準
日本大学の付属高校から内部進学するためには、どのような基準で決められるのか探っていきましょう。
基礎学力到達度テスト
基礎学力選抜方式や国公立選抜方式の場合、成績順で希望の学部に進学できます。
偏差値の高い学部や人気の学部は成績上位者が進んでいきます。
最も重視されるのが、基礎学力到達度テストです。
全国の日本大学付属高校生1学年約1万人が受験する共通テストです。
テストはマークシート方式で、内容は主に教科書の内容という基礎的なものとなっています。
高校3年間のうちに4回実施されます。高校1~3年の4月と高校3年の9月に行なわれます。
そのうち高校1年実施分をのぞく3回のテストが内部進学の参考となります。
高3の9月のテストは難易度がアップし、社会・理科も科目に含まれます。
3回のテストの比率は以下のとおりです。
実施年月 | 教科 | 内部進学の比率 |
高校2年4月 | 国語・数学・英語 | 2割 |
高校3年4月 | 国語・数学・英語 | 2割 |
高校3年9月 | 国語・数学・英語 | 6割 |
文系:日本史・世界史・地理・倫理・政経から1科目理系:化学・物理・生物・地学から1科目 | 10割 |
高校3年9月実施の回は、進路決定に伴う成績の比率が上がるため、それまでのテストが思わしくなかった生徒には、逆転の機会となります。
選抜されるためには、偏差値の標準化得点が全体の8割に入っておく必要があります。
5段階評定平均値
付属特別選抜方式では5段階評定も選抜基準となります。偏差値の高い学部に進学したい場合は5点満点中4点以上が必要となります。これらの成績を総合的に判断して進学する学部が選ばれるのです。
生産工学部への各付属高校からの内部進学状況
各付属高校から生産工学部へ何名合格しているか、どれくらいの位置にいたら合格できるのか見ていきましょう。
生産工学部の偏差値
生産工学部は偏差値が40です(スタディサプリより)。
日本大学に17ある学部の中で上から16番目に高い数字となっています。
各付属高校から生産工学部への進学状況とボーダーライン
付属高校名偏差値卒業生数 | 生産工学部への合格者数(進学者数) | ボーダーライン |
日本大学習志野高等学校(偏差値69)卒業生380名(令和5年度) | 65名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者はのべ439名で、生産工学部の合格ラインは全卒業生の中で下位にあたります。日大習志野高校は、日本大学以外への進学実績も高く、国立では東京工業大学や電気通信大学に各1名、私立では慶應義塾大学に10名やや東京理科大学に35名など難易度の高い大学へ多数合格者を輩出しており、それを加味すると、下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学第二高等学校(偏差値67)卒業生408名(令和3年度) | 8名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者はのべ159名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者の中で下位にあたります。日大二高は、日本大学への内部進学率が42.9%(令和3年度)と日本大学の付属校の中でも低くて他の大学への進学が盛んであり、東京医科歯科大学に1名や東京理科大学に8名など国公立、私立問わず難関大学への合格者を多数輩出しています。それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学第三高等学校(偏差値66)卒業生369名(令和3年度) | 8名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者はのべ173名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者の中で下位にあたります。日大三高は日本大学への内部進学率が38.2%(令和3年度)と日本大学の付属校の中でも低く、他の大学への進学が盛んで慶応義塾大学に4名や東京理科大学に6名など難関大学へ多数合格者を輩出しており、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学高等学校(偏差値・総合進学64)卒業生438名(令和3年度) | 12名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者はのべ301名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者の下位の位置にあたります。日本大学高等学校は、東京工業大学に3名や東京理科大学に37名といった難関大学へ多数の合格者を輩出しており、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学鶴が丘高等学校(偏差値・総合進学64)卒業生423名(令和3年度) | 4名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者はのべ261名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者の下位位にあたります。日大鶴が丘高校は筑波大学に1名や東京理科大学に9名など難易度が高めの大学へ多数合格者を出しており、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学藤沢高等学校(偏差値・総合進学63)卒業生435名(令和3年度) | 0名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への進学者は176名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者195名の下位にあたります。日大藤沢高校は横浜国立大学や慶應義塾大学に各5名など難易度が高めの大学への合格者を多数輩出しており、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
千葉日本大学第一高等学校(偏差値・普通科進学62)卒業生359名(令和3年度) | 10名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は192名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者203名の下位にあたります。千葉日大一高は東京工業大学に1名や東京理科大学に17名など難関大学の合格者を輩出しています。それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学第一高等学校(偏差値61)卒業生351名(令和3年度) | 15名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は208名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者224名の下位にあたります。日大一高の全卒業生における日本大学進学率は約64%(令和3年度)と高いですが、東京理科大学に7名など難関大学の合格者もおり、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学櫻丘高等学校(偏差値・総合進学60)卒業生479名(令和4年度) | 9名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への進学者は357名で、生産工学部の合格ラインは日本大学進学者370名の下位にあたります。日大櫻丘高の日本大学への内部進学率や約77%(令和4年度卒業生)と高いですが、慶應義塾大学に2名や東京理科大学に1名など難易度の高い大学にも合格者がおり、それを加味すると、やや下位の成績でも合格できると推測されます。 |
日本大学豊山女子高等学校(偏差値・N特進59)卒業生240名(令和3年度) | 3名(進学者数) | 日本大学の偏差値40以上の他学部への進学者は144名で、生産工学部の合格ラインは日本大学進学者153名の下位にあたります。日大豊山女子高は埼玉大学に1名や成城大学に4名など他大学への進学者がいますが、日本大学よりやや難易度が低い大学への進学者が多く、それを加味すると、やや下位程度の成績が必要であると推測されます。 |
日本大学豊山高等学校(偏差値58)卒業生487名(令和4年度) | 23名(進学者数) | 日本大学の偏差値40以上の他学部への進学者は357名で、生産工学部の合格ラインは日本大学進学者362名の下位にあたります。日大豊山高の全卒業生の約75%が日本大学へ進学するので、それを加味すると、やや下位にいると合格できると推測されます。 |
土浦日本大学高等学校(偏差値・総合進学58)卒業生732名(令和4年度) | 28名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は304名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者335名の下位にあたります。土浦日大高は東京大学に1名や東京理科大学に24名など超難関大学の合格者を輩出しており、それを加味するとやや下位あたりの成績で合格できると推測されます。 |
目黒日本大学高等学校(偏差値・N特進56)卒業生490名(令和4年度) | 10名 | 日本大学の偏差値50以上の他学部への合格者は203名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者214名の下位にあたります。目黒日大高からは電気通信大学に1名や東京理科大学に7名など難易度が高い大学への合格者がいます。それを加味すると、やや下位あたりの成績で合格できると推測されます。 |
日本大学東北高等学校(偏差値・普通科I56)卒業生492名(令和4年度) | 23名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は183名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者292名の下位にあたります。日大東北高からは東北大学や横浜国立大学に各1名など難易度が高い大学に数名合格者を輩出していますが、それほど多くないため、やや下位あたりの成績で合格できると推測されます。 |
日本大学山形高等学校(偏差値・普通科進学54)卒業生315名(令和3年度) | 16名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は83名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者120名のやや下位です。日大山形高からは法政大学に3名や中央大学に1名など難関校への合格者も輩出していますが、それほど多くないため、中位あたりの成績だと合格できると推測されます。 |
大垣日本大学高等学校(偏差値・特別進学54) | 10名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は53名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者74名の下位にあたります。大垣日大高からは南山大学に11名など難易度の高い大学に数名合格していますが、それほど多くないため、それらを加味すると中位の成績だと合格できると推測されます。 |
日本大学三島高等学校(偏差値・普通進学53)卒業生556名(令和3年度) | 24名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は334名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者364名の下位にあたります。日大三島高校からは横浜国立大学に1名や慶應義塾大学に2名など難関大学に数名合格者を輩出していますが、それほど多くなく、中位からやや下位の成績だと合格できると推測されます。 |
札幌日本大学高等学校(偏差値・総合進学53)卒業生385名(令和3年度) | 7名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は74名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者89名の下位にあたります。札幌日大高からは東京工業大学や慶應義塾大学に各2名など難関大学に数名合格していますが、それほど多くなく、やや下位の成績だと合格できると推測されます。 |
長崎日本大学高等学校(偏差値・アカデミーコース53) | 16名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は103名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者125名の下位にあたります。長崎日大高からは東京大学や東京工業大学に各1名などの名門校に数人合格していますが、それほど多くはなく、それを加味すると中位からやや下位の成績だと合格できると推測されます。 |
日本大学明誠高等学校(偏差値・普通52)卒業生347名(令和3年度) | 20名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は227名で、生産工学部の合格ラインは日本大学進学者250名の下位にあたります。日大明誠高からは電気通信大学や中央大学に各1名など難易度の高い大学への合格者を輩出していますが多くなく、中位からやや下位の成績だと合格できると推測できます。 |
岩瀬日本大学高等学校(偏差値・普日コース50)卒業生156名(令和3年度) | 28名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は157名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者192名のやや下位にあたります。岩瀬日大高から難関大学への合格者はほぼ見当たらず、それを加味するとやや下位の成績だと合格できると推測されます。 |
佐野日本大学高等学校(偏差値50)卒業生432名(令和4年度) | 57名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は218名で、生産工学部の合格ラインは日本大学進学者342名のに中位よりやや下にあたります。佐野日大高からは東京大学や東京工業大学に各1名など難関大学への合格者がおり、それを加味すると中位よりやや下くらいの成績だと合格できると推測されます。 |
佐野日本大学中等教育学校卒業生59名(令和3年度) | 24名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は71名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者105名のやや下位にあたります。佐野日大中等教育学校からは北海道大学に2名や東京理科大学に4名など難関大学へ数名合格しており、それを加味するとやや下位くらいの成績だと合格できると推測されます。 |
宮崎日本大学高等学校 卒業生405名(令和4年度) | 37名 | 日本大学の偏差値40以上の他学部への合格者は245名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者320名のやや下位にあたります。宮崎日大高からは大阪大学に2名や慶應義塾大学に1名など難易度の高い大学への合格者を多数輩出しています。それを加味するとやや下位くらいの成績だと合格できると推測されます。 |
土浦日本大学中等教育学校卒業生88名(令和4年度) | 20名 | 日本大学偏差値40以上の他学部への合格者は14名で、生産工学部の合格ラインは日本大学合格者97名の上位約14%にあたります。土浦日大中等教育学校からは北海道大学に1名や慶應義塾大学に4名など難関大学への合格者を多数輩出しており、それを加味すると中位あたりの成績だと合格できると推測されます。 |
長野日本大学高等学校 | 不明 |
各高校の偏差値は、「みんなの高校情報」を参考にさせていただきました。
全国の高校偏差値ランキング 2023年度最新版|みんなの高校情報 (minkou.jp)
日本大学生産工学部の内部進学基準と基礎学力到達度テスト対策
いかがでしたか?
今回は日本大学生産工学部の内部進学基準を解説しました。
内部進学を攻略するには、基礎学力到達度テストの対策をすることが大切です。
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