明治大学付属中野中学の特色と入学するための受験対策

概要

いわずとした中高一貫の首都圏人気校で、スポーツでも数々の実績を持つ強豪校です。体育の授業では剣道や柔道に力を入れており、日本古来の武術の礼儀作法習得を通して、倫理観やリーダー的な資質を育成することを目指しています。文武両道を掲げる同校では毎年多くの部活動が全国大会や関東大会に出場しており、ラグビー部、ゴルフ部、水泳部、射撃部、相撲部、柔道部、スキー部、山岳部、音楽部、スケート部、アーチェリー部、バスケットボール部がそれぞれ全国大会に出場した経歴を持っています。高校に進学すると中学からの内部進学者と高校からの外部進学者の混合クラスになることから、多様な価値観の生徒と意見を交えることによる成長が期待できます。学校を設置しているのは学校法人中野学園という別法人になりますが、実質は明治大学の系属校です。

教育について

同校では、「修学錬身」・「質実剛毅」・「協同自治」を理念として掲げており、生活面においても人の話をしっかり聞けるようにになることや基本的なことを徹底していく中に質のよい学びが生まれるという教育方針のもと、校則やルールを守ることを重視した指導を行っていることでも知られています。中学校のカリキュラムは基本的な学力を身につけることを中心に組まれており、こまめな小テストや再テスト、個別の補習にも力を入れています。生徒の個々の状況に合わせて教員が細やかにフォローしてくれていることが見受けられます。各授業で配られる教材の課題や練習問題は、必ず全員が終わるまでやるということが徹底されています。また、家庭での学習習慣を確立するために課題も相応の分量が課されます。一貫校というと先取り学習に重点を置いているイメージが強い中で、同校では高校の先取りは行わずにしっかり年齢相応の学力と予習・復習の習慣を身につけることを大切にしています。もちろん、国際的な舞台で活躍できる人材育成を視野に入れているため英語の授業数を増やしたり、1・2年次のカリキュラムに英会話を組み込んだりといった試みの他、中学3年生からはオンラインでの英語授業にも取り組みます。また、国語ではディベートやプレゼンテーションなど自分の考えを表現することに力を注いでいます。中学高校の全生徒を対象に、早朝と放課後を使って希望制の講習会や指名制の補講を行ってくれることからも、それぞれの習熟度や希望に合わせて引っ張り上げる学校側の意欲が感じられます。
特定の科目に偏ったカリキュラムや奇抜すぎない構成にしているため5教科の学力をバランスよく伸ばしており、国公立を希望する生徒もたくさんいます。授業では、高校の先取り学習などは行わず、むしろ、基礎をしっかり固めることを目指します。高校に入ると学校側からの積極的な検定受講の後押しや補習もさらに行われるようになり、大学受験を見据えた学習面での大幅なレベルアップを目標として掲げています。高校では大学の公開授業や講演会、実験などに参加することもできるようになります。NPO法人によるキャリア教育も充実しており、大学主催の簿記講座や法学検定講座、語学講座など一足早く将来に向けて実践的な資格試験やスキルアップに臨めることも付属校ならではの魅力です。

進学について

中学から高校への推薦基準として、英検3級の取得と5.5以上の評定を取得することが定められています。学内からの明治大学進学者は80%を超えており、付属である強みを生かして大学と連携した進学サポートを早い段階から行っています。他大学への受験を検討している生徒に対しても、高校1年生から全国公開模試を校内で年に数回実施し、大手予備校の受験のプロから大学受験を学べる進学講演会に参加することができます。こうした取り組みに参加することで早い段階から自分の実力を把握したり、自分の目指す将来像に必要な学びや学部を選択できる状態を作ることを目指しています。外部への進学でも、難関私立大学や医学部、一橋や東大、東工大にも進学者を出しています。

傾向と対策

国語:試験時間は50分、100点満点です。例年読解が7割、知識が3割程度の出題となっています。知識問題では漢字の書き取り問題の全体に占める比率も高いため、日頃から漢字をこまめに勉強しておくことが必要になります。そのほか四字熟語やことわざ、慣用句、文法や語句の意味なども過去問題に目を通した上で参考書などを用いて知識をつけていきましょう。記述形式の出題も多いので、基本的には必ず添削指導を受けて答え方や意図を表現方法などを毎回丁寧に確認していきましょう。出題傾向としては、要旨を問われるような問題というよりも設問箇所に対して「どういうことか」「なぜか」と問うスタイルのものが大半です。部分的に文章を掘り下げて丁寧に追いかけていけば解答にたどり着けるものがほとんどなので、慌てずに日ごろからマーキングや時間配分の練習を重ねて手順を体に覚えこませましょう。そのほか指示語、接続後、主語、係受けの問題なども宿題されます。

算数:試験時間は50分、100点満点です。計算などの1行問題が10問程度出題されます。基本的に小学校で出題される全ての範囲から出題されます。文章問題・図形問題・グラフの読み取りなどは単元ごとに苦手なものを一つ一つ潰しておく必要があります。解答用紙に解答を入れていく形式になるため、途中式や考え方は採点対象に入りません。問題のレベルはそこまで難しくないので、取り組みやすい問題を把握した上で検算をする時間まで想定して時間配分を組むようにしましょう。

理科:試験時間は30分で、50点満点です。物理・化学・生物・地学からバランスよく出題されます。解答方式は選択問題・語句の知識・計算問題と一般的ですが、記述問題も多く出題されます。難易度はそこまで高くはないので、単元ごとによく出題される記述を書けるように準備しておきましょう、物理・化学分野では、法則を利用した典型的な計算問題が多いため、難易度の高い問題に取り組むよりも、標準的な問題演習を問題集や過去問を通して積み重ねておくことが最も効果的な対策といえるでしょう。生物・地学分野では基本的な問題に加えて実験の過程や結果に関する問題も頻出です。日頃から教科書をしっかり読み込むことが必要です。

社会:試験時間は30分、50点満点です。地理・歴史・公民の3分野から満遍なく出題されます。地理分野は日本地理を中心に出題されていますが、世界地理も基本的なところは抑えておく必要があります。グラフの読み取り問題もよく出題されるため、日頃から時間の制限の中でスピーディーに読み解く練習をしておきましょう。歴史分野は全体の流れを抑えるために出来事の起きた理由なども併せて時系列で追いかけられるようにしましょう。公民分野は政治史を中心とした出題になっているので、時事問題の対策として時期ごとのダイジェスト版を定期購読したりまとまったニュースを確認するなども習慣を持つと良いでしょう。用語や地名・人命などは正しく漢字で書けるようにしておきましょう。

全体を通してどの科目もくまなく苦手単元を潰しておく必要があるため、入試日から逆算してしっかりバランスの良い反復学習ができるスケジュールを組み立てましょう。自分一人だとスケジュールが崩れてしまったり修正が難しいところもある場合には、信頼できる先生と相談しながら一緒に進めていく方法をお勧めします。また、記述の添削指導だけでなく国語の読解練習などは、問題がシンプルで得点しやすい分確実に点数に結びつくように毎回しっかり先生と一緒に「なぜその回答になったのか」というところまで落とし込んで確認しましょう。