自由の森学園中学校の入試問題傾向と受験対策
自由の森学園中学校は埼玉県にある男女共学の私立学校です。
「競争原理に頼らない教育」を理念とし、個人の自立と自由の教育を重要視した学校です。
入学する為には、入試を突破する必要がある為、倍率が高くないことを考えても、相応の対策が必要です。
自由の森学園中学校の合格を目指すためには、学校の特色を知ることや、入試問題傾向を把握する事で、余裕をもって対策にとりかかりましょう。
自由の森学園中学校の概要と特色
学校アクセス
埼玉県飯能市小岩井 613 番地
私鉄→スクールバス
西武池袋線「飯能駅」南口からスクールバスで約15分
西武新宿線「狭山駅」西口からスクールバスで約60分
JR→スクールバス
八高線「東飯能駅」西口からスクールバスで約15分
青梅線「小作駅」よりスクールバス約30～40分
路線バス
「飯能駅」より 《湯の沢行・名郷行・名栗車庫行・上赤沢行・中沢行・中藤行》バスに乗車「飯能第二小学校前」下車 徒歩約15分
特色
自由の森中学校は1985年に創設された飯能の山の中にあり、自然あふれる環境で学べる、中高一貫教育の学校です。
全校生徒は700人ほどで、埼玉県以外にも東京、神奈川、千葉から通学している生徒もいます。
また敷地内には寮があるので寮生活をしている生徒は高校生も含め100人程です。
学習面では、競争原理を使って学力を上げるのではなく、様々な体験を通して学ぶ事の喜びや個性を発揮することが本当の学びと考えています。
校則や制服はなく、髪型などは自由、一人ひとりの多様性が尊重され「自由」について考え行動します。
常識にとらわれないカリキュラムが組まれ生徒は個性を出して伸び伸びと学校生活が送れます。
理念
自由の森中学校の理念は【人間の自立と自由への教育を追求することと、深い知性・高い表現・等身大の体験】です。
理念の元となっているのは数学者 遠山啓の教育論です。
生徒同士を競争させて学力を上げる方法は、一人一人の個性を伸ばしていく障害になると考えています。
現在の学校教育は本当の学びとは遠く、テストの点数や内申点を上げるための勉強は、自分自身の意思や感性の成長にはつながりません。
これでは生徒一人ひとりの個性が発揮できず学びの喜びも感じるのが難しいでしょう。
自由の森中学は、競争原理を原動力に使わない、学びの喜びを感じられる授業を試行錯誤しながら進んでいる学校です。
学校生活
中学1年
初めての環境と新しい仲間との出逢いなどたくさんの出来事がある中、「授業を作る」「行事を作る」この２つのキーワードを広げ、仲間同士多くのコミュニケーションをとり皆で学校生活を作っていきます。
中学2年
本格的に自分たちで授業や行事を作っていくことで、自発的な行動が多くなり、「意見の伝え方」「他者の意見を聴く」を重要視してやりたいことを実現していきます。
中学3年
授業での疑問点やわからない事など、１つの事をより深く追究していく姿勢が多くなり、年度末の学習発表会では、自分たちが授業などで体験したことを下の学年へ伝えていきます。
環境
自由の森中学校は、森と川にかこまれたムササビなどの珍しい野生動物も住んでいる自然豊かな場所です。
周辺には、田んぼや畑などの農業をされている方も多く、農業や林業の体験も可能です。
最近では、生徒たちが主体となり自由の森中学校の周辺地域の自然と文化を感じることのできるツアーも行っています。
自己評価
教育方針として生徒が自分の学びを客観的に評価することを大切にしています。
入学すると20〜30ページほどのファイルになっている「評価表」が、生徒一人ひとりに渡され、授業で感じた事や自己評価を記入し、各教科の教師に提出すると授業内容や自己評価に対してコメントしてくれます。
教師たちは、生徒の文章から、一人ひとりがどのような視点で物事を考え見ているのか、生きていく力をどのようにつけているのかなどを重要視してコメントを記入します。
自由の森学園中学校の入試問題情報
試験の種類
A入試
《出願資格》
・2024年3月 小学校卒業予定者
・本校を第一志望としている
・小学校6年時の1学期または 2学期の平均が2.0以上であ ること(3段階評価）
選択した教科の中で、それぞれの課題を作成します。また、その時間の感想や自己評価を文章で書きます。
《試験内容》
・国語･算数２教科の基礎的な学力をみる（各40分）
・選択授業 理科･社会･体育･音楽･美術より1教科選択（各90分）※美術のみ110分
選択した教科でそれぞれの課題を作り、感想や自己評価を文章で書く
・グループ面 接 3～5人 約30分
B入試
《出願資格》
・2024年3月 小学校卒業予定者(海外帰国生を含む)
《試験内容》
・国語･算数２教科の基礎的な学力をみる（各40分）
・選択授業 理科･社会･体育･音楽･美術より1教科選択（各90分）※美術のみ110分
選択した教科でそれぞれの課題を作り、感想や自己評価を文章で書く
・個人面接(約15分間）
C入試
《出願資格》
・2024年3月 小学校卒業予定者(海外帰国生を含む)
試験内容
・国語･算数２教科の基礎的な学力をみる（各40分）
・グループ面 接 3～5人 約30分
自由の森中学校の入試結果
| 入試種類 | 性別 | 受験 | 合格 | 倍率 |
| Ａ入試 | 男 | 32 | 24 | 1.3 |
| 女 | 38 | 29 | 1.3 | |
| Ｂ入試 | 男 | 30 | 12 | 2.5 |
| 女 | 26 | 16 | 1.6 | |
| Ｃ入試 第1回 | 男 | 7 | 0 | ‐ |
| 女 | 3 | 1 | 3.0 | |
| Ｃ入試 第2回 | 男 | 16 | 3 | 5.3 |
| 女 | 10 | 5 | 2.0 | |
| Ｃ入試 第3回 | 男 | 13 | 2 | 6.5 |
| 女 | 9 | 3 | 3.0 |
自由の森学園中学校の入試問題と受験対策
自由の森学園中学校の入試問題は、算数と国語の筆記試験・授業入試・面接が行われ、他の学校にはない授業入試では、指定された5教科の中から選択した授業を受けて課題を提出します。
筆記試験だけでは、表現できない受験者一人ひとりの可能性を重要視する試験です。
それぞれの入試問題と受験対策
入試では、自由の森中学校の教育理念の中で学びたい気持ちと、入学後に楽しんで授業を受けて行けるかに重点を置いて基礎的な学力をみます。
通常の試験とは異なり、筆記試験では現れないところをみるために授業入試があります。
授業入試では、基礎知識・問題読解力・解釈の仕方・解き方・丁寧さ・創造性などの個人の特性を重要視。
面接では受験者の入学後の学園生活が想像できるような質問がされます。
筆記試験
国語、算数
過去問や問題の情報がありませんが自由の森中学のHPには「基礎的な学力を考査する」とあるので基礎問題を復習して対策しましょう。
授業入試
各教科の内容がHPに書いてあるので対策しましょう。
理科
| 課題と内容 | ｢身近な自然｣についての授業。 授業ノートをつくり与えられた課題に取り組む。ノートと課題を提出。 |
| 対策 | 自分の課題に対する取り組みが伝わるノートづくりをしましょう。 |
社会
| 課題と内容 | 日本の歴史の中から1つ取り上げて授業をします。 歴史の事件や物事を例にして、なぜそのことが起きたのか、その後どの ような影響をあたえたのかを、みんなで考えます。 意見を発表したり、最後に自分の考えを文章でまとめられるかを評価します。 |
| 対策 | 歴史上の人物や事件や年号を覚えておくことよりも出来事について自分の意見を持ちましょう。 |
保健体育
| 課題と内容 | マット運動の授業を通じ、課題の技を練習していく中で自分の中で変化していく体の感覚を感じ取る。 授業後に各自発表し、感想を書くことで学びを振り返ります。 |
| 対策 | 普段から自分の中に起きた感覚的な感想を書いたりする練習をしましょう。 |
音楽
| 課題と内容 | 1つの曲にみんなで取り組み合唱をします。 歌の上手さを観るのが目的ではなく、他者と一緒にひとつの歌を作り上げていく過程を見ます。 最後に授業を受けての簡単な感想も書きます。 |
| 対策 | しっかり相手に伝わる文章を書きましょう。 |
美術
| 課題と内容 | 「見ること」を重点に置いた授業です。 絵の上手さでは評価しません。 最後にみんなで作品を見合い、感想文を書きます。 |
| 対策 | 思っていることが読み手に伝わる文章を意識しましょう。 |
面接
過去に志望理由、入学後の抱負、調査書についての質問などがありました。
特に調査書については目立ったところがあるとその理由について質問されています。
入学したら何がしたいか、学校で嫌なことがあった時どうするか、遅刻や欠席の理由など
落ち着いて答えるためには、あらかじめ指摘されそうな事の答えの練習が必要です。
自由の森学園中学校合格のために受験対策をしよう
自由の森学園中学校の入試問題は、点数を重視しない、序列を排除した入試になっています。筆記試験は算数と国語の基礎内容重視の内容。授業試験は教科を選択して課題を提出。
あとは面接となっており、それぞれ対策しておいたほうがいでしょう。特に選択授業入試ではHPに各教科の内容が記載されているので対策しやすいです。
ただ、家庭内や学校だけで受験対策するよりも専門的な知識をもった講師に指導してもらった方が効率も対策力も格段に上がります。
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