医学部への行き方は?進学する為の主な3つの方法を解説
医学部人気は近年非常に高くなっており、国公立はもちろん私立大学も高い倍率になっており、しっかりとした対策をとらなければ合格するのはかなり難しくなっています。
倍率上昇は以前に比べ落ち着いてきましたが、偏差値・倍率ともに高い位置をキープしている状態で、今後しばらくはこの傾向が続きそうです。
医学部に入学するには「一般入試」「推薦」「内部進学」の大きく3つの方法があり、どれが向いているかは医学部を目指している学生の境遇や個性によるといえます。
今回は医学部に行くためのこの3つの方法を徹底解説いたします。
医学部に行きたい学生や、それを支える保護者の方は是非ご参考にされてください。
進学方法1.一般受験
医学部進学で一番メジャーな方法は一般受験でしょう。もっとも募集人数が多く、受験日さえ被らなければ複数の大学を受験でき、厳しい出願資格を設けていない為、一番チャンスがある受験方法といえます。
ただ、浪人生や社会人再受験生も受験してくることから倍率は高く2023年度の入試では私立大学は帝京大学がトップで37倍、国公立大学前期では岐阜大学で10.4倍となっています。
この倍率は、偏差値に大きく左右されるのではなく受験教科や配点、及び学費に影響されることが多いことが特徴です。
例えば、岐阜大学の場合は共通テストの足切りがなかったという点、帝京大学は受験科目から数学を外し、国語受験ができるという点が倍率の高くなる一番の原因といえそうです。
一般受験の場合は、各大学の科目数や科目ごとの難易度・出題傾向、合格者の現浪比などを把握した上で出願大学を決めることが重要です。
一般受験が向いている受験生は?
- 面接小論より学力に自信がある
- 学校の定期試験よりも実力テストの方が得意
- 医者にはなりたいが、特に行きたい大学を決めていない
という受験生は一般入試がおすすめです。
一般入試の一次試験はペーパー勝負になるため基本的には現役生にとって不利といえます。浪人生は現役生よりもはるかに多くの問題演習や対策を行っているため、現役生がペーパーで勝つことは難しいでしょう。
ただ、現役生と浪人生の間で差がつきにくい基本的事項を問う入試問題を出している大学や、「再受験生や多浪生は合格しにくい」と噂される大学に関しては対象者が受験するのを避ける傾向にあり、現役生でも大学リサーチをしっかり行えば十分にチャンスはあるといえます。
また、面接が極度に苦手な学生や、特に行きたい大学がない場合は志望理由書や面接対策を短期で行いにくいので早い時期に行われる推薦はさけ一般入試に絞りましょう。
一般受験に対しての有効な対策法は?
私立医学部の一般入試の問題内容には偏りがあることが多く、科目間でも難易度が異なることが多くみられるのが特徴です。
私立大学医学部を第一志望にしており、ある程度受験校を絞っている場合は早い段階で志望校の傾向にあわせた学習カリキュラムをたて類似問題の演習を制限時間内に多く行うことが合格の鍵となります。このような対策は自分ひとりで行うのは難しいため、医学部入試に精通している個別指導で指導を受けることが効率的といえるでしょう。
国公立の一般入試の場合は共通テストで失敗しないことが重要です。共通テストは必要とする知識は少ないものの考察が必要であり科目数が多いため、下位学年からコツコツと基本的な事項や考え方を積み重ねていく必要があります。
二次試験は他学部と同じものが出題されるため単科大学でなければ一般的な受験勉強で十分です。
進学方法2.推薦
進学方法の2つ目は推薦です。推薦には
- 学校推薦
- 総合選抜
- 地域枠
があります。
学校推薦とは
学校推薦には指定校推薦と公募制が存在します。ともに、学校長からの推薦による受験制度です。
指定校推薦
指定校推薦は特定の高校のみからの募集になり、どの高校が対象になっているかも公表されていませんので、あらかじめ高校の先輩や先生に枠があるか聞く必要があります。
ただし、今まで指定校枠がある高校でも急に枠がなくなる可能性もありますので、注意が必要です。医学部をもつ大学では年々指定校枠での入学を減らしており、2023年では獨協大学・埼玉医科大学・北里大学・金沢医科大・東京女子医科大学の5校のみが取り入れています。昨年、聖マリアンナ医科大学、令和6年度から東京女子医科大学の指定校枠を撤廃することが決定しており、今後指定校推薦を行う大学はさらに数を減らす可能性があります。
公募推薦
公募制推薦は出身高校に関しての縛りはありませんが、学校の成績が一定以上の条件をクリアしていないと出願できません。大学によって異なりますが、3.5~4.7以上の評定平均が必要となります。
私立大学では、小論・面接・基礎学力テストを課すところが多く、面接ではMMIを取り入れている大学も増えてきているようです。
国公立大学の場合は、多くの大学が調査書・小論や面接に加え共通テストでの一定以上の成績で合否が決定しますので、私立とは異なり年内で合否がでる大学は稀です。私立の場合は年内に合否結果がでるところがほとんどですが、国公立大学の場合は一般入試とほぼ変わらない時期に合否が出ます。
総合選抜とは
旧AO入試ことを指します。大学が求める学生像(アドミッションポリシー)を基準にして評価を行う選考方法です。
私立医学部の場合、評定平均など高校の成績での出願基準はありませんが、年齢制限を設けており、金沢医科大学は25歳以下、川崎医科大学22歳以下、それ以外の大学の多くは一浪までとなっています。学校推薦にくらべ出願条件の門戸が広いことが特徴です。基本的な学力テストを課す大学が多く、グラフや表に処理能力や空間把握能力を図る問題を出題、面接ではMMI形式のものも増加しているため、一人で対策するのは難しいといえるでしょう。
国公立大学の場合は評定平均の出願基準や共通テストを課す大学がほとんどで、総合問題・面接のみを課す福島県立医科大学など一部の大学を除いては学校推薦との違いはほぼありません。
地域枠選抜とは
医師不足の問題を解消すべく取り入れられた選抜方法です。他2つの推薦に比べて倍率が低い傾向にあること、奨学金がついている場合もあることから、比較的合格しやすいうえ学費の負担も少ないため、どうしても医師になりたい方にはおすすめといえます。
しかし、卒業後一定期間特定の地域、特定の医療機関に所属しなければいけないという条件があるため、地域医療に関して興味が薄い、何となく医師になりたいという考えの方は避けるべき選抜方法です。
推薦が向いている受験生は?
一般試験とは異なり、ペーパー験以上に人物や学校成績に着目される推薦入試。
ここでは推薦入試が向いているのはどのような受験生か紹介いたします。
学校推薦や総合選抜が向いている受験生は?
医学部の学校推薦や総合選抜が向いている受験生は、
- 高偏差値の高校に通っており成績が良い
- 英語資格や数学オリンピックなど課外活動において実績がある
- 出願する大学と自分のなりたい医師の方向性が一致している
- 基礎学力がある程度ついており、一般入試を視野にいれながら推薦対策も出来る
- 親族に卒業生がおり推薦書を書いてもらえる
などです。
推薦や総合選抜は人物重視といわれていますが、ある程度の基礎学力は絶対に必要です。推薦や総合選抜は一般試験よりも倍率が低い傾向にありますが、難しいことに変わりはありません。
一般試験での合格を念頭に置いて勉強をすすめながら、推薦対策を行えるような学生にはおすすめです。
また、子弟推薦や地元医師の推薦書が有効になる場合もありますので、そのような境遇の方は是非チャレンジしてください。
地域枠選抜が向いている受験生は?
地域枠選抜が向いている受験生は
- 地域医療について興味があり従事したい
- どのような縛りがあってもよいので何としても医師になりたい
です。
地域枠では奨学金が出たり、卒業後の就職があらかじめ決まっていたりなどの良い点がありますが、卒業後の数年は必ず指定された医療機関に行かなければいけないため、強い決意が必要です。
倍率が低く他の受験方式より入りやすい傾向にありますが、大学在学中に進む道を決定したいと考えている方は地域枠受験は避けましょう。
推薦・総合・地域枠選抜に対しての有効な対策法は?
推薦・総合・地域枠選抜に対しての対策法は、過去数年の出題傾向を把握した上で短期間での対策をおすすめします。
医学部入試に精通している個別指導塾などで傾向を教えてもらい、期間限定で基礎学力テストやMMI対策をしてもらうことが効率的です。自分ひとりで対策を行ってしまうとリサーチ時間に多大な時間を費やす可能性が高く、一般入試に向けた勉強の妨げになるため自力での対策はあまりおすすめできません。
進学方法3.内部進学
一般入試の場合は全国の現役・浪人・再受験生と戦うことになるため、医学部入試は非常に難易度が高いものになりますが、内部進学は系列校に属する医学部志望の現役生のみと競うのでのやや難易度が緩和される傾向にあります。
内部進学には日本大学・慶応大学・東邦大学・獨協大学・東海大学・近畿大学・福岡大学・川崎医科大学が附属校推薦枠を公開しています。
帝京高校からも毎年帝京大学医学部への進学者がいますが、こちらは残念ながら内部進学かの明確な記載はありません。
また、近年日本医科大学と提携した早稲田大学の附属校からも一部日本医科大学への高大連携推薦枠による入学者がでており、今後も引き続き早稲田附属からの推薦枠は維持されそうです。
大学によって内部進学できる人数は決まっている為、附属校が多い日本大学や東海大学の場合は競争率が高く、附属校の中でも偏差値ランクがある程度高い高校に在籍していると有利です。
対し、川崎医科大学付属高校は高大連携なので9割以上の卒業生が医学部に進学しています。
内部進学がおすすめの受験生は?
内部進学がおすすめの受験生は
- 中学・高校から医学部に進学することを決めていて、学費を十分に支払える
- コツコツ勉強することが得意で評定平均を高く保つことができる
です。
内部進学で医学部に進学するためには高校の中でも上位の成績をキープすることが重要。下位学年から定期テストで常に上位をとれるように努力することが必要です。
内部進学においての有効な対策法は?
内部進学では定期テストの成績を高く保ち続けることが重要です。この場合、下位学年の時は特に集団授業よりも個別指導で学校の授業に対応した勉強を行うことをおすすめします。
学校と塾で同じ単元を扱うことで知識が定着しやすくなり基礎学力がつくと同時に学校での評定平均を高く保つことが可能になります。
また日大のように附属校が多い大学の場合は内部進学の選抜基準として用いられる統一テストの対策も必要なので、内部進学に対するノウハウをもつ塾に通うことも有効です。
医学部への行き方は?進学する為の主な3つの方法を解説
高校にもよりますが、倍率の観点から医学部への進学が一番緩いのは内部進学といえます。
早い段階で医師になることが決定しており十分な教育費を払える場合は、中学受験や高校受験の段階で付属校推薦が充実しているところを選ぶことがおすすめです。
そして入学後も定期テストや学校行事などにしっかり参加するように心がけましょう。
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