英語教科書「ニュートレジャー」の特徴と解説

ニュートレジャーとは?

『 ニュートレジャー』は、Z会が作成している中高一貫校で使用されている英語教科書で、その特徴は「非常に難易度が高い!」これに尽きます。通常、公立の中学校で採用されている教科書の単語数は、中学3年間で900語ほど、最近改訂された新指導要領でも1200語ほどです。

しかし、ニュートレジャーはそれよりもはるかに多い3000語の単語が収録されています。ただでさえ、2021年の学習指導要領改訂により、効率の英語レベルは難化し、学校ではついていけなくなる生徒が増えています。単語がわからず訳出できなかったり、単語の意味調べに追われ文章全体の意味がつかめなかったりと、中途半端にこのテキストに手を出すと逆に英語に苦手意識が芽生えてしまうかもしれません。そのため、1人でこのテキストを使って学習を進めるのは至難の業です。

ニュートレジャーは、公立校のテキストのように学年ごとに分かれているのではなく、STAGE1からSTAGE5までの5冊で展開されています。STAGE1を1冊終わらせれば、中学2年の半分くらいの内容を習得したことになります。さらにSTAGE3まで終わらせれば、高校3年間で学習する文法の基礎が終了します。STAGE4、5は大学入試用のテキストと言えるでしょう。なかでも、STAGE1は2022年1月にサードエディションが改訂され、文法シラバスを変更しています。ニュートレジャーは自宅学習用の教科書ではなく(一般販売はされていません)、あくまでも解説やインターアクションをする中で少しずつ理解を深めていくような作りになっています。

また、多彩な英文・豊富な語彙・充実した文法解説で、大学入試や実社会に対応できる英語力を身につけることを目指しています。近年の大学入試では、短時間で情報を読み取る訓練が必要となります。ただ単に文法を覚えて終わりではなく、自分の考えをまとめ、相手に伝わるように表現する力が必要な英作文などの出題も増えています。英語学習の早い段階から、論理的思考力やコミュニケーション力を伸ばす訓練が段階的に行えるような構成となっています。

ニュートレジャーの構成

 各テキストのレッスン構成は、下記の通りです。

①Lesson Goal 導入

②Grammar in Use 文法の解説・定着

③Action 読解

④Word square 発展学習・発信練習

⑤Pronunciation 発音の練習

では、各セクションの内容を細かく見ていきましょう。ここでは、1例としてSTAGE2のLesson2の内容をかいつまんでご紹介します。

①Lesson goal(導入)

 導入では、そのレッスンで学習する内容や、到達目標を確認します。「条件や理由を変えて自分の考えが説明できる」などというように、Lessonを習得することで見に着くスキルが明確に記載されています。また、worm-upといって、1レッスンに1つの品詞(助動詞、前置詞など)に注目し役割を解説するなど、知識の整理を促す項目も設定されています。例えば、助動詞であれば既習の単語の意味とそれを使った例文が紹介されており、2問ほどの問題を解き、復習します。

②Grammar in Use(文法の解説・定着)

 ここでは、本文とKey Point例文が3つほどあり、このレッスンで習得する文法が実際の会話の中でどういった使われ方をするのかが紹介されています。例文は自然な内容で暗唱しやすいよう工夫されています。

③Action(読解)

リードパートでは、400-600語のまとまった英文を掲載しています。近年改訂が行われ、「食料廃棄をなくそう」「スマトラ島の森林減少」などSDGsの観点を盛り込んだ内容が取り上げられています。段落やセクションの区切りを明確にし、授業で扱いやすいようになっています。文の最後には、内容理解を問う穴埋めや記述問題が設定されており、それを解くことで内容の理解がさらに深まるようになっています。

また、読んで終わりではなく、英文の内容に関連した問いかけについて、自分自身の考えをまとめて発信する力を養います。手順としては、まずSTEP1(prepare)で調べ学習をし、自分の考えを日本語でまとめます。次に、STEP2(share)で教科書が指定する発表の定型パターンに当てはめ、英語で意見を交換します。最後に、STEP3(discuss)で発表した内容を踏まえた議論を行います。STEP1→STEP2→STEP3とスモールステップが用意されており、インプットだけでなくアウトプットの機会が十分にとれるような構成になっています。これらの行程をすべて終えたあと、このレッスンでの到達目標を振り返り、どの程度達成できたかを自分で確認し、このパートは終了です。

④Word square(発展学習・発信練習)

ここでは、「体調を表わす語」「人の性格を表す語」などのグループに分けて語彙を広げる練習をします。それによって効率よく単語を覚えることができます。また、短い会話も紹介されており、学習した単語がどのように使われているかを示しています。その会話の一部を入れ替え、口頭練習を繰り返すことで定着を図ります。

⑤Pronunciation(発音)

レッスンの最後には、発音のポイントを押さえ、学習を進めます。上がり調子や下がり調子、発音記号が表わす音がどのような音なのかが説明されています。

ニュートレジャーの準拠教材

 

冒頭でも申し上げましたが、ニュートレジャーは普通参考書や問題集のように、本屋さんで購入することができません。基本は学校を通して購入することになるでしょう。下記に準拠教材を列挙しておきます。

・ワークブック

 文法事項、単語・語句をそれぞれテキストの進度に合わせた教科書準拠の問題集です。各レッスンの構成を教科書に合わせていますので、授業の区切りや各レッスンの終了時などに復習として使うことができます。

・音声CD

テキストの音声が収録されています。Warm UpやGrammar本文など、各セクションに分けて聞くことができます。全編ナチュラルスピードになっています。CDケースに印字されたURLへアクセスし、シリアルコードを入力すると、音声をWebで再生・ダウンロードして使用することができます。

・スターターブック

 小学生から中学生への橋渡しを目的としたワークブックです。アルファベットから始まり、簡単な自己紹介まで学ぶことができます。小学校では、話す・聞くをメインに学習しますが、中学生からは読む・書くも重視されるため、中学に入っても学習が無理なく進められるような後世になっています。このワークブックは2020年10月に発売され、比較的新しいものです。

・文法問題集

 構成はSTAGEごとに異なりますが、STAGE1では文法セクションごとに、ベーシック→スタンダードと基礎を確認したのち、5ステップのエクササイズで練習を積みます。ステップ1~3の基礎~標準問題に加え、ステップ4では英作文、ステップ5では読解演習に取り組むことで、レッスンごとに十分演習することができます。

・英単語

 各STAGEに適した単語が、グループごとにまとめられています。単語や例文の音声は、紙面上の二次元コードにアクセスして聞くことができます。

・ティーチャーズマニュアル

 この本は生徒の皆さんには関係ありません。先生方が授業をする際参考にできるように、各レッスンの詳細な解説に加え、ステージごとのカリキュラムマップや効果的な授業パターンなどを掲載しています。先生用ということもあり、7000円~17000円ほどと少し値段が高く設定されています。

以上がニュートレジャーに準拠している教材です。テキストをより理解するためには持っておいたほうがいいので、特に文法問題とワークブックは学校を通じて買っておくことをおすすめします。

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