日大基礎学力到達度テスト【数学】出題傾向と対策

はじめに

日本大学付属高等学校等で実施される基礎学力到達度テスト(基礎到達テスト)は、附属校の内部進学を目指す生徒にとって非常に重要な試験です。今回は「基礎学力到達度テスト」の中でも、多くの受験生が気になる数学の傾向と対策について、文系・理系の視点から解説していきます。

基礎学力到達度テストとは?

基礎学力到達度テストは、日本大学の付属高校で行われる統一試験で、主に内部進学のための基準として活用されます。高校2年生(2年次)と高校3年生(3年次)に実施され、試験結果は進学判定や進路選択に大きく影響します。

数学の出題範囲と内容

2年4月(文系・理系共通)

範囲内容
数Ⅰ・Aすべての範囲

3年4月(文系・理系共通)

範囲内容
数Ⅱすべての範囲
数B*¹数列、*²統計
数C*³ベクトル

*¹数列、*²統計、*³ベクトルの3つから2つを選択

3年9月(文系)

範囲内容
数Ⅰ・Aすべての範囲
数Ⅱすべての範囲
数B*¹数列、*²統計
数C*³ベクトル

*¹数列、*²統計、*³ベクトルの3つから2つを選択

3年9月(理系)

範囲内容
数Ⅰ・Aすべての範囲
数Ⅱすべての範囲
数B数列、*¹統計
数Cベクトル、*²平面上の曲線・複素数平面
数Ⅲ極限、*³微分

*¹統計、*²平面上の曲線・複素数平面、*³微分の3つから1つを選択

出題範囲

基礎学力テストの数学では、数I・A、数Ⅱ・Bが中心となっています。2年次は比較的基礎的な内容が多く、3年次は応用力が求められます。

出題内容の例:

  • 二次関数
  • データの分析
  • 図形と計量(三角比)
  • 場合の数と確率
  • 整数の性質(約数、公倍数など)

理系・文系での数学の違い

文系

文系でも数学は必須科目として課されることが増えてきています。しかし出題される内容はやや基礎的で、計算力やパターン問題の理解が重視されがちです。

文系のポイント:

  • 数I・A、数Ⅱの基礎をしっかり固める
  • 数B・C(整列・統計・ベクトルの中から2分野選択)の選択分野を集中的に
  • データ分析や割合、グラフなどの実用数学を重点的に
  • 式変形や因数分解などのスピード強化

理系

理系での数学は非常に重要です。基礎テストでも高得点を取っておきたい科目ですし、試験の難易度も文系よりやや応用寄りになることが多いです。

理系で問われる分野:

  • 数Ⅰ・Aと数Ⅱは全体的に対応できるように
  • 数B(数列)
  • 数C(ベクトル)
  • 数Ⅲ(極限)
  • 数B・C・Ⅲ(統計、平面上の曲線・複素数平面、微分)の選択分野を集中的に
  • 数学的な読解力・論理的推論

2年生と3年生で出題の難易度や傾向が異なりますので、詳しく見ていきましょう。

日大付属内部進学・基礎学力到達度テスト対策専門塾|さくらOne個別指導塾

2年次:試験範囲と形式、内容と対策

1年生までに学ぶ範囲がベースなので、比較的基礎的な内容が多いです。

①範囲

2年次では、数I・Aすべてが含まれるのが特徴です。

  • 数I:二次関数、データの分析、図形と計量
  • 数A:場合の数・確率、整数の性質、図形の性質

②形式

  • 試験時間:60分
  • 配点:100点満点
  • 出題形式マークシート方式中心
  • 論理力や読解力が問われる
  • 問題数はやや多めで、時間との勝負になることも

内容

  • 「グラフ」「統計資料」「表」などの読み取り問題も出題
  • 設定に沿って数理的に考える力を試す問題も多い

対策

  • 過去問や模試で時間配分の練習

3年次:試験範囲と形式、内容と対策

3年次では4月と9月に試験があり、2年次よりも難易度が高く、応用力が求められます。

3年4月

文系・理系共通で出題されます。

①範囲

数II・B・Cに関する出題が予想され、数B・Cについては2分野を選択する方式になります。

  • 数II:式と証明、三角関数、指数・対数、図形と方程式、微分積分(基礎)
  • 数B:*¹数列(和の公式、漸化式)、*²統計
  • 数C:*³ベクトル(内積・座標)

*¹数列、*²統計、*³ベクトルから2分野を選択

②形式

  • 試験時間:60分
  • 配点:100点満点
  • 出題形式:マーク式中心だが、記述形式(導出や説明)も一部導入されることあり
  • 問題数は少なめでも、1問ごとの情報量と処理量が多い
  • 数学的思考力を問う記述問題が出る

③内容

  • 完全な応用問題寄り
  • 現実的な場面設定や、抽象的な数理構造の理解を要する問題が増加
  • 論証・比較・証明型の問題が出題されることもある

④対策

  • 数II・Bの発展問題に取り組む(教科書+青チャート・標準問題集など)
  • 記述力・説明力を鍛える(解法だけでなく考え方を言語化)
  • 数学的読解力・構造把握力を養う(文章題・図形・関数の絡み)

3年9月(文系)

4月の範囲に数Ⅰ・Aが追加され、数B・Cについては2分野を選択する方式になります。

①範囲

  • 数Ⅰ・A:すべての範囲
  • 数Ⅱ:すべての範囲
  • 数B:*¹整列、*²統計
  • 数C:*³ベクトル

*¹整列、*²統計、*³ベクトルから2分野を選択

3年次9月(理系)

4月の範囲に数Ⅰ・A、数Ⅲ・Cが追加され、3分野から1分野を選択する方式になります。

①範囲

  • 数Ⅰ・A:すべての範囲
  • 数Ⅱ:すべての範囲
  • 数B:数列、*¹統計
  • 数C:ベクトル、*²平面上の曲線・複素数平面
  • 数Ⅲ:極限、*³微分

*¹統計、*²平面上の曲線・複素数平面、*³微分から1分野選択

過去問の活用法

基礎学力到達度テストの過去問を活用することは、最も効率的な対策のひとつです。過去5年間の出題傾向を分析し、頻出テーマを重点的に学習しましょう。

おすすめの教材

  • 『日本大学付属高等学校等 基礎学力到達度テスト 問題と詳解 数学 2025年度版』(清水書院)

まとめ

年次文系理系
2年次数I・Aの復習+数IIの基本数I・A+数II・Bまでしっかり対応
3年次数II・Bの典型問題が中心数IIIの導入含め、本格的な応用力が必要
共通基礎+思考力+読解力基礎+思考力+論理力+応用力

基礎学力到達度テストは、単に“基礎”という名前がついているだけでなく、基礎+論理力=得点源という構成になっています。

理系はもちろん、文系の方にとっても「数学ができるかどうか」で合否が大きく左右される場面があります。

基礎学力到達度テストの数学は、計画的な学習と正しい対策で得点を伸ばすことができます! しっかり準備して、内部進学を確実なものにしましょう。

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【関連リンク】

日本大学高等学校HP:進路指導に関する基本方針