日大三高からの日大への内部進学
日大三高とは?
東京都町田市にある、日本大学の付属校で、中学校・高等学校の中高一貫教育校です。設立は明治24年で、当時は高等商業予備門として誕生しました。昭和23年に新制の日本大学第三高等学校となり、1996年に男子校から男女共学校へと変わって今に至ります。
日大三高のコース分け
日大三高では、まず、1年生で普通クラス、特進クラス、スポーツクラスに分かれます。また、1年生は、日大三中からの内部進学者と外部からの進学者は別クラスです。2年生になると、普通クラスと特進クラスはそれぞれ文系コースと理系コースに分かれて、3年生になると、普通クラスはそれぞれがI類とII類に分かれます。特進クラスは文系コースII類と理科コースII類になり、スポーツクラスは
図にするとこのようになります。
日大三高の生徒のうち、日本大学への内部進学をする生徒は47.2%ほどです(公式ホームページより)。毎年、大体250人前後の生徒が日本大学に内部進学しています。
日大三高の進路指導
日大三高では、生徒自身で自分の進路について考えて選択することができることを目標に、進路指導行事はもちろん、その他の学校生活全般において自己キャリアや未来について考えさせるように様々な工夫がなされています。
学力テスト関係
- 日本大学基礎学力到達度テスト
- 中間試験
- 期末試験
- 学年末試験
キャリア、進学関係
- ヨーロッパ研修(1年生・2年生)
- オーストラリア体験研修(1年生)
- 校外学習(1年生)
- 保護者会
- 年頭講演会
- 3者面談
学力強化関係
- 特別授業(3年生)
- 前期・後期 夏季講習
- 春期講習
- 冬期講習
- TOEIC&TOEIC Bridge
- GTEC
卒業生の進路の特色
日大三高の卒業生で日本大学に内部進学する生徒は大体4-5割程度で、他の卒業生のほとんどは他大学への進学をしています。「生徒一人一人の進路希望を大切にする」というスタンスですが、約半数は日本大学へ内部進学しています。
また、内申点や「日本大学基礎学力到達度テスト」の点数によってほとんどの生徒は日本大学への内部進学の資格を得ています。
日本大学に内部進学するためには?
日大三高から日本大学に内部進学を希望する場合、日大付属校に共通の附属推薦制度を利用することになります。附属推薦制度には三種類の制度があります。
附属推薦の三種類の制度
日大三高から日本大学へ内部進学するための3つの制度と内容を紹介します。このうち、1の基礎学力選抜と2の附属特別選抜については、国公私立問わず他の大学などへの進学や就職など他の進路を選択することはできません。3の国公立併願方式については、国公立の大学に限って併願することができます。
1・基礎学力選抜
日本大学の全ての付属校では、高1—高3までの4月下旬と高3の9月下旬に「日本大学基礎学力到達度テスト」が行われるのですが、そのテストの順位によって希望の学部・学科に推薦される制度です。附属推薦制度の中心になっていて、附属推薦制度での募集枠のうち7割を占めています。
2・附属特別選抜
高校内部での推薦会議後に、高校3年間の成績(評定平均)と面接・実技などを学部・学科ごとに総合的に評価して決定する制度で、年度によっては実施しない学部・学科もあります。附属推薦制度での募集枠のうち3割近くを占めています。
3・国公立併願方式
基本的には1の基礎学力選抜と同じで高1—高3までの4月下旬と高3の9月下旬に行われる「日本大学基礎学力到達度テスト」の順位によって希望の学部・学科に推薦される制度ですが、基礎学力選抜と異なり、国公立の大学に限って併願することができます。
もし、国公立の大学に受からなければ必ず日本大学に進学する義務があります。募集枠はとても少なく、年度によって実施しない学部・学科もあります。
ここに記した3つの附属推薦制度では、日本大学の各学部・学科の募集枠に附属推薦での人数が満たなかった場合に11月下旬に「追加募集」をすることがあります。
重要な「日本大学基礎学力到達度テスト」
日大三高から日本大学へ内部進学する場合にとても重要なのが全ての日本大学付属校で実施される「日本大学基礎学力到達度テスト」の成績です。このテストは高1—高3の4月下旬と高3の9月下旬に行われる全ての日本大学の付属校共通のマークシート方式によるテストです。問題は主に教科書で習うことが中心の構成になっています。試験教科と評価に用いられる割合は以下のようになっています。
2年生 4月 | 英・数・国の3教科で2割 |
3年生 4月 | 英・数・国の3教科で2割 |
3年生 9月 | 理系: 英・数・国の3教科が6割+理科が10割 |
文系: 英・数・国の3教科が6割+地理・歴史・公民のうち1科目が10割 |
日本大学への内部進学のための基準
一応、附属推薦枠があるものの、エスカレーター式に日本大学へ内部進学できるということはありません。結構厳しい基準があります。
1・評定平均
高等学校3年間の内申書の各教科の評定平均は3.5 以上であることが求められます。とはいうものの、各学期に行われる定期テストの内容はほとんどが授業に沿った内容となっており、定期テストについては、授業の内容を理解していれば高得点が取れる内容となっています。
2・日本大学基礎学力到達度テスト
高1—高3まで計4回行われますが、このうち内部進学に関係するのは高2以降の基礎学力到達度テストの成績です。この基礎学力到達度テストの成績は、日本大学に内部進学する場合、自分の希望する学部に行けるかどうかの判定にも用いられます。
もっとも希望する学部へ行けるかどうかに影響するのは、高3の9月に行われるテストで希望学部の基準点を上回っているかどうかです。
内部進学のための基礎学力到達度テストの特徴と対策
基礎学力到達度テストは、定期テストと異なり、大学入試センター試験並みの難易度となっています。難問や奇問があるわけではありませんが、問題量が多く、範囲も広いので、時間配分やスピードが必要になります。
1・英語
大まかには、リスニング、文法、長文読解の3分野で構成されています。長文はかなり時間がかかるので、時間配分とスピードには注意が必要です。
2・国語
知識、評論、小説、古文、漢文の大問5つから構成されています。高3の4月のテストまでは、すべての分野で20点ずつの配点ですが、高3の9月のテストでは、知識が14点、評論が26点、小説20点、古文25点、漢文15点となり、知識と漢文の配分が低く評論と古文の配点が高くなります。ですので、評論と古文に時間を割くのと、重点的に対策をすることです。
3・数学
出題傾向は毎年同じで、文系と理系で範囲が少し異なります。
文系:数1、2、数A・Bから平均的に出題されます。教科書レベルや入試での定番問題が多く数学で高得点を取ると周りと差をつけることができます。
理系:文系と共通の出題範囲の他に数3からも出題差されます。難易度は標準レベルで出題範囲や傾向も決まっていますので、過去問を見て対策をすることで得点源にすることができます。
基礎学力到達度テストについての特徴と対策
- 時間の割に問題が多く、範囲も広いので、問題をいかにして早く解けるか(スピード)ー 同じ問題でもいかに早く解けるかが重要
- 時間配分や問題の取捨選択ができるようになることが重要
- 出題傾向は毎年変わらないので、過去問で傾向になれることが重要
- 苦手科目を克服するようにすることが重要
- 英語では長文読解の配点が大きいので、長文読解のスピードも重要
ということになります。
以上を参考に日本大学への内部進学の対策を立てることをお勧めします。