日本留学試験(EJU)の受験資格・大学合格の目安と勉強方法

日本留学試験(EJU)は、日本の大学や専門学校に進学するために必要不可欠な試験です。この試験では、日本語能力だけでなく、数学や理科、総合科目といった幅広い学術的な基礎知識が測定されます。

EJUは特に海外からの留学生にとって、大学入学の第一関門となる重要な試験であり、各大学が求める基準を満たすためには、計画的で綿密な準備が不可欠です。受験者は、自身の目標とする大学の入学要件を理解し、それに応じた学習戦略を立てることが合格への鍵となります。

この記事では、EJUの受験資格や大学ごとの合格目安、さらに効果的な勉強方法について解説し、皆さんが目指す進路に一歩近づけるようサポートします。

日本留学試験(EJU)とは?

日本留学試験(EJU)は、日本の大学や専門学校に進学を希望する留学生を対象とした、非常に重要な試験です。この試験は、日本国内外の試験会場で年に2回(6月と11月)実施されており、文部科学省の委託を受けた日本学生支援機構(JASSO)が運営しています。

試験科目には「日本語」「理科」「数学」「総合科目」の4つがあり、受験者は希望する大学や学部が求める科目を選んで受験します。各大学はEJUの試験結果を入学選考の重要な基準として使用し、その結果が合否を左右するため、受験者にとっては非常に大切な試験です。

したがって、受験前には志望校の入試要項をしっかりと確認し、自分に必要な科目を把握したうえで対策を進めることが成功への鍵となります。

日本留学試験(EJU)の点数目安[国公立大学]

大学名学部出願に必要な点数
日本語(読解)
備考
北見工業大学工学部200以上理科と数学の合計が220点以上
室蘭工業大学理工学部225以上理科と数学の合計が220点以上
岩手大学理工学部260以上
東京工業大学環境・社会理工学院290以上物理、化学、数学の合計が350点以上
岐阜大学応用生物化学部320以上理科、数学及び日本語(読解、聴解・聴読解)の合計640点以上
静岡大学人文社会科学部220以上
長崎県立大学看護栄養学部280以上化学と生物それぞれ60点以上

※JASSO(日本学生支援機構)のホームページにて、点数基準の公開をしている大学を記載

引用:日本学生支援機構(渡日前入学許可に係る日本留学試験合格目安点・出願に必要な点数)

出願前の情報収集

日本留学試験(EJU)を受験する際、志望する大学が求める具体的な点数を把握することは非常に重要です。まず、志望校の入試要項を確認し、どの科目が必要かを把握しましょう。

たとえば、東京工業大学では物理、化学、数学の合計が350点以上必要であり、岐阜大学では理科、数学、日本語の合計で640点以上が求められます。これらの基準は、大学や学部によって異なるため、希望する学部に特化した情報を集めることが不可欠です。

また、日本語(読解)や記述、理科、数学など、科目ごとの詳細な配点や評価基準も事前に確認し、自分の弱点を把握することが効果的な学習計画の鍵となります。

求められる人物像

国公立大学が求める人物像は、学業において優れた能力を持ち、強い学習意欲を持つ学生です。これらの大学は、特に日本語や理系科目(理科、数学)での高得点を重視しており、基礎学力だけでなく、応用力や論理的思考力が求められます。

たとえば、東京工業大学や岐阜大学などでは、物理や化学、数学において高い理解力を持ち、総合的にバランスの取れた成績を収めることが求められます。さらに、国公立大学では、独自の課題に対する取り組みや研究意欲の高さも重視されるため、受験生は単に試験対策に留まらず、自ら学び考える姿勢が求められます。

また、国際的な視野を持ち、多文化共生に積極的に貢献しようとする意欲も評価される要素です。

国公立大学は、限られたリソースを最大限に活用して学ぶことができる学生を求めています。そのため、自己管理能力が高く、計画的に学習を進めることができる学生や、研究活動に積極的に参加する意欲のある学生が理想的です。

こうした人物像を念頭に置きながら、EJUの試験に取り組むことが、国公立大学合格への近道となります。

効果的な勉強方法

EJUで高得点を目指すためには、戦略的な勉強が求められます。まず、志望大学が求める点数を目標に設定し、その達成に向けた学習計画を立てましょう。

日本語科目においては、読解力と記述力の向上が不可欠です。これには、毎日の新聞記事や学術的な文章を読む習慣をつけ、筆記練習を繰り返すことが効果的です。理科や数学については、過去問や模擬試験を活用し、繰り返し問題を解くことで理解を深めます。特に難易度が高い問題に挑戦することで、試験本番での対応力が養われます。

また、総合科目の勉強には、幅広い知識が必要となるため、時事問題や社会的なテーマに関心を持ち、定期的にニュースをチェックする習慣をつけると良いでしょう。最後に、模擬試験を通して時間配分を確認し、試験当日に向けての最終調整を行うことが重要です。

日本留学試験(EJU)の点数目安[私立大学]

大学名学部出願に必要な点数日本語(読解)備考
札幌国際大学人文学部200以上
北洋大学国際文化学部200以上
青森中央学院大学経営法学部200以上
青森大学総合経営学部200以上
仙台白百合女子大学人間学部平均点の8割以上
宮城学院女子大学平均点以上
宇都宮共和大学シティライフ学部200以上
十文字学園女子大学教育人文学部200以上
尚美学園大学芸術情報学部200以上合格目安:230点以上
城西国際大学国際人文学部200以上過去2年までの成績が有効
桜美林大学リベラルアーツ学群200以上
創価大学文学部200以上
帝京大学全学部平均点以上全科目それぞれ平均点以上
東洋大学文学部300以上
星城大学経営学部200以上
名古屋商科大学全学部200以上
南山大学全学部270以上
京都外国語大学国際貢献学部200以上
京都精華大学国際文化学部220以上記述が25点以上必要
京都ノートルダム女子大学200以上
同志社大学神学部合格目安:315点/450点満点
立命館大学法学部280以上 + 記述35以上
大阪観光大学観光学部200以上
大阪経済法科大学経済学部1年次 200以上3年次 250以上
大阪国際大学経営経済学部240以上
大手前大学全学部200以上
関西学院大学法学部情報なし
神戸国際大学経済学部225以上
桃山学院大学全学部200以上
流通科学大学商学部210以上全教科合計で540点以上が合格目安
岡山理科大学理学部200以上
広島経済大学経済学部280以上+記述35以上
松山大学経済学部250以上
長崎国際大学薬学部200以上
立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部250以上+記述30以上

※JASSO(日本学生支援機構)のホームページにて、点数基準の公開をしている大学を記載

引用:日本学生支援機構(渡日前入学許可に係る日本留学試験合格目安点・出願に必要な点数)

国公立大学と異なるポイント

私立大学と国公立大学の違いは、求められる点数の基準や評価ポイントにあります。私立大学は国公立大学に比べて、比較的幅広い基準で受験者を評価する傾向があります。

たとえば、札幌国際大学や北洋大学では、日本語(読解)や総合科目で200点以上が基準とされていますが、合格基準は大学によって多様であることが特徴です。また、一部の私立大学では、特定の科目において高得点が求められることが少なく、全体のバランスが重視される傾向があります。

さらに、私立大学の中には、日本語の記述力を重視する大学や、過去2年の成績を総合的に評価する大学もあり、個別の特徴を理解することが重要です。国公立大学に比べ、私立大学では出願者の幅広いバックグラウンドが考慮されるため、自分の強みを最大限に活かせる大学を選ぶことが鍵となります。

求められる人物像

私立大学が求める人物像は、多様な価値観を持ち、柔軟な思考力と創造性を発揮できる学生です。私立大学は国公立大学と比べて、より幅広いバックグラウンドや個性を持つ学生を歓迎する傾向があります。

そのため、学力だけでなく、自己表現力やコミュニケーション能力が重視されます。たとえば、南山大学や立命館大学などでは、日本語の高い読解力や記述力が求められると同時に、独自の視点で物事を捉え、論理的に考える力を持つ学生が理想とされています。

私立大学では、社会に対する強い関心や実践的なスキルを持つ学生が評価される傾向もみられます。たとえば、経済や経営、国際関係といった分野では、実際の社会問題やビジネスシーンにおいて積極的に活動し、リーダーシップを発揮できる人物を求める大学があります。

他にも、文化や芸術分野においては、創造的な発想や芸術に対する深い理解を持ち、自らの個性を表現する能力を重視する大学もあります。

私立大学は、学生一人ひとりの個性や志向を尊重し、個別の成長を促す教育環境を提供することを目指す傾向が顕著です。そのため、自己の目標を明確に持ち、その実現に向けて積極的に行動する姿勢が求められます。

私立大学での学びを通じて、自分自身をより深く理解し、社会に貢献できる力を養いたいという意欲を持つ学生が理想的な人物像といえるでしょう。

おすすめの学習方法

私立大学でのEJU対策は、バランスの取れた学習が求められます。まず、日本語の読解力と記述力を高めるために、毎日新聞や雑誌を読むことを習慣化し、さまざまなテーマに触れるようにしましょう。これにより、試験で扱われる多様なトピックに対する対応力が身につきます。

次に、総合科目や数学の勉強では、過去問や参考書を活用し、繰り返し練習を行うことで、知識の定着を図ります。また、模擬試験を積極的に活用し、試験本番に近い環境での演習を重ねることが効果的です。

私立大学では、全体のバランスが重視されることが多いため、特定の科目に偏ることなく、全体的に高得点を狙う戦略が重要です。最後に、志望校の傾向に合わせた勉強計画を立てることで、自信を持って試験に臨むことができるでしょう。

日本留学試験(EJU)の勉強方法

日本留学試験(EJU)で高得点を目指すためには、戦略的かつ効率的な勉強方法が欠かせません。

まず、日本語科目においては、読解力と記述力の強化が非常に重要です。日常的に日本の新聞や学術論文を読み、複雑な文章の理解や意見をまとめる力を養いましょう。また、記述練習を繰り返すことで、自分の考えを論理的かつ明確に表現する力を身につけることができます。

さらに、数学や理科の科目では、過去問を繰り返し解くことが非常に効果的です。過去問を通じて出題傾向を把握し、自分が苦手とする分野を明確にしたうえで、重点的に復習することで、確実に得点力を向上させることが可能です。

総合科目に関しては、幅広い知識と理解が求められるため、日頃からニュースや時事問題に関心を持ち、社会的なテーマに対する知識を積極的に習得しましょう。また、各科目での時間配分や問題解決のスピードを向上させるためには、試験直前に模擬試験を実施することが重要です。

模擬試験を通じて実際の試験に近い状況で演習を行うことで、時間管理のスキルや問題への対応力が身につき、本番でも自信を持って臨むことができるでしょう。このように、EJUで成功を収めるためには、計画的で継続的な学習が鍵となります。

まとめ

日本留学試験(EJU)は、日本の大学に進学を希望する留学生にとって不可欠な試験です。受験を成功させるためには、大学ごとの出願に必要な点数を理解し、効果的な勉強方法を実践することが重要です。

国公立大学と私立大学では求められる基準が異なるため、それぞれの特徴をしっかりと把握し、自分に合った対策を行うことが成功への鍵となります。そのためには、専門的な指導が必要不可欠です。

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参考サイト・資料

https://www.jasso.go.jp/ryugaku/eju/about/about_a/about_eju.html

https://www.jasso.go.jp/ryugaku/eju/examinee/prearrival/required_score.html