【英検準1級】合格するための完全解説ガイド

英検準1級は、英語力上級者の登竜門として位置付けられる難関資格です
高校生の英語力向上や大学受験準備、さらには海外留学を視野に入れるご家庭にとって、その対策情報は重要でしょう
本記事では2025年度に向け、英検準1級の試験概要や各セクションの出題傾向、合格基準、さらには効果的な学習スケジュールについて解説します
英検準1級の概要
英検準1級は、最難関の1級直前のレベルで大学中級程度(高校卒業以上)の英語力が目安とされています。
日常的な社会生活で求められる高度な英語を十分に理解し、適切に使いこなせる能力が求められます。
英検準1級取得は、大学入試や単位認定での優遇措置、さらには教員採用試験や海外留学時の英語力証明など幅広い場面で活用できる資格です。
そのため、大学受験で英語を武器にしたい高校生や、将来的に海外大学進学・留学を目指す生徒に特に受験が推奨されます。
また、帰国子女や国際交流の経験がある生徒なども、この級にチャレンジすることで一層の実力証明となるでしょう。
準1級合格者の内訳を見ると大学生や社会人が多い傾向にありますが、高校生でも十分合格可能です。
意欲と計画的な学習がある生徒であれば、受験学年に合わせて準1級取得を目指す価値は大いにあります。
筆記試験の傾向
試験時間
英検準1級の一次試験(筆記+リスニング)は合計約120分で行われ、そのうち筆記試験(リーディングとライティング)に90分が割り当てられています。
限られた時間内で長文読解と英作文まで解答する必要があるため、時間配分と速読力が重要なポイントとなります。
筆記の出題構成
筆記試験では大きく分けて「リーディング」と「ライティング」のパートがあります。
リーディングは語彙力と読解力を問う問題が中心で、具体的には以下のような大問構成です。
- 短文の語句空所補充(語彙問題・短めの文脈):18問
- 長文の語句空所補充(長めのパッセージ内の語彙問題):6問
- 長文の内容一致選択(長文読解の内容理解問題):7問
このリーディング計31問に加え、ライティングとして英作文の課題が2題出題されます。
新形式のライティング内訳は以下の通りです
- 英文要約: 与えられた英文資料の内容を英語で要約する問題(1問)
- 自由英作文: 指定トピックに対する自分の意見を英語で論述する問題(1問)
リーディングパートでは、短文穴埋めの語彙問題で高度な単語力が要求されます。
長文読解では社会問題・科学技術・環境・教育など多岐にわたるテーマの文章が出題され、内容一致問題では文章全体の趣旨を把握し正しい選択肢を選ぶ読解力が試されます。
出題傾向
語彙問題では時事用語や抽象的な表現まで含む難易度の高い単語が出題される傾向にあり、普段から幅広い語彙に触れておくことが有効です。
長文読解では文章量が多く内容も専門的になりがちですが、段落構成や論旨展開に注意して効率よく読み進めることがポイントです。
要約問題は60〜70語程度で元の文章を読んでいない人にも分かるよう主要点をまとめる必要があります。
一方、自由英作文では120〜150語程度で自分の意見を述べ、提示された4つの論点(POINTS)のうち2つを用いて議論を展開する形式です。
「賛成か反対か」を明確にし、自分の立場を論理的に述べる力が求められます。
作文力強化のため、日頃から時事問題に対する自分の意見をまとめる練習や、過去問の模範解答を参考に文章構成の型を身につけておくと良いでしょう。
リスニング試験の傾向
試験時間
リスニング試験は約30分で実施され、放送は各音源1回ずつのみ流されます。
先読み時間も含めて限られた時間内で解答する必要があるため、集中力と速やかな内容把握が要求されます。
大問構成
リスニングセクションは全部で29問あり、以下の3つのパートに分かれています。
- 会話の内容一致選択(対話文の内容理解問題):12問
- 文の内容一致選択(モノローグ〔説明文等〕の内容理解問題):12問
- Real-Life形式の内容確認(アナウンスなど実生活音声の理解問題):5問
出題音声の特徴
会話文パートでは日常場面やビジネス場面での対話を聞き、内容に関する設問に答えます。
電話でのやりとりなど、多様なシチュエーションの英語が想定されるため、話者の意図や感情の聞き取りが重要です。
説明文パートではニュース放送やプレゼンテーション風のモノローグを聞き、その内容に関する設問に答えます。
専門用語が出る場合もありますが、文章全体の趣旨やキーワードを押さえることで回答可能です。
Real-Life形式とは駅や空港のアナウンス、留守番電話のメッセージといった実生活で耳にする音声を指し、ここでは要点摘出や数字・固有名詞の聞き取りなど実用的なリスニング力が試されます。
傾向と対策
準1級リスニングでは高度な内容理解力が求められるため、ただ単語を逐一追うのではなく「話の主旨」や「登場人物の意図・関係」を素早く把握する力がカギとなります。
日頃から英語のニュースやポッドキャスト、洋画・洋楽など多様な英語音声に触れて耳を慣らすことが効果的です。
また問題用紙の選択肢はあらかじめ印刷されていますので、放送前の先読みで設問のポイント(例えば「何について尋ねているか」など)を予測しておくと聞き取りが格段に楽になります。
放送は一度しか流れないため、聞き逃した部分に拘らず次の内容に意識を切り替える度胸も必要です。
過去問演習を通じて一通りの場面・話題(家庭、職場、学校、地域社会、科学技術等)に慣れておくことで、本番でも落ち着いて対応できるでしょう。
スピーキングテストの傾向
試験形式と時間
二次試験として行われるスピーキングテストは面接委員と1対1の英語面接で、所要時間は約8分間です。
英語での質疑応答に加え、与えられた課題に沿って自分の考えを述べるセクションが含まれます。
面接はすべて英語で進行し、入室から退室までの一連のやり取りも評価対象となります(挨拶や応答の態度も含む)。
試験構成
準1級の面接では主に以下の流れでテストが進みます:
- ナレーション課題 – 問題カードに描かれた4コマのイラストを見て、そのストーリーを英語で説明します(準備含め約2分間)。
- イラスト内容に関する質問 – ナレーションしたストーリーについて、登場人物の気持ちや状況に関する質問に1問答えます。
- トピックに関する質疑応答 – カードに書かれたテーマに関連した質問が3問程度出され、自分の意見や一般論を述べます。
評価の観点
配点はナレーション15点、各質問5点ずつ、態度(姿勢)3点で合計38点満点となっており、22点程度が合格ラインです。
ナレーションで流暢に話せても、その後の質疑で沈黙したり簡潔すぎる回答しかできないと減点となります。
内容の一貫性・論理性、語彙や文法の正確さ、発音やイントネーション、そしてコミュニケーション意欲がバランス良く評価されます。
対策として、過去の面接問題カードを使い練習回答を声に出す訓練を積むことが有効です。
特にナレーションは制限時間内に起承転結をまとめる練習、意見質問では賛否どちらの立場でも論じられるよう社会的なトピックについて日頃から考えを巡らせておくと良いでしょう。
面接官の質問を聞き返す必要が生じた場合でも落ち着いて「Pardon?」などと切り返すコミュニケーション態度も評価の一部ですので、物怖じせず堂々と臨むことが肝心です。
合格率と合格基準
全国的な合格率の目安
前述のとおり、英検準1級の一次試験合格率は概ね15%前後と低めです。
この数字は英検2級(約25%)より10ポイント以上低く、準1級の難易度が飛躍的に上がることを示しています。
もっとも近年は公式の合格率公表がないため正確な最新データは不明ですが、受験者層に大学生や社会人が多く含まれる点も踏まえると、高校生が合格するためには相当の努力と対策が必要と言えます。
ただし、一次試験に合格した人の二次試験(面接)合格率は約80%と高く、面接まで進めれば多くの受験者が合格しています。
これは準1級受験者が十分な英語力と準備を備えて臨んでいることの表れでしょう。
しかし油断は禁物で、一次試験免除で面接を再受験する場合も含め、最後まで気を抜かず対策することが大切です。
合格基準(CSEスコア目安)
一次試験は2250点、二次試験は750点が満点スコアです。
一次試験は1792点、二次試験は512点が合格ラインです。
合計では3000点満点中およそ2300点以上が必要となり、高い総合力が要求されます。
CSEスコアは統計的手法により算出されるため、同じ正答数でも回によってスコアが多少前後する特徴があります。
そのため自己採点だけで合否を正確に判断することは困難であり、受験者は各分野まんべんなく得点を狙うことが重要です。
目安としては各技能7割正答を確保すれば合格可能性が高いと言われています。
特にライティングは配点比重が高いため作文対策をしっかり行うことで一次試験合格に大きく近づくとも言われています。
学習スケジュールと学習時間の目安
推奨される学習期間
英検準1級合格までに必要な学習期間は、現在の英語力によって異なります。
一般的には約6ヶ月〜1年の計画で対策するケースが多く見られます。
例えば、すでに英検2級相当の力があれば340時間(約6ヶ月)程度の学習が一つの目安となり、英検準2級レベルから開始する場合は500時間超(8ヶ月〜1年)の学習を見込む必要があります。
部活動や学校行事と並行して学習時間を確保するには無理のない長期計画を立てることが肝心です。
日常的な学習時間の目安
忙しい高校生でも毎日1〜2時間は英検対策の勉強時間を設けることをおすすめします。
平日は学校の予復習と並行になりますので、朝の通学時間や放課後に単語学習・リスニング練習を組み込み、休日にまとまった過去問演習をするなどスキマ時間も活用した学習習慣をつけると良いでしょう。
継続的な学習が何より力を伸ばしますので、無理のないルールを決め、習慣化してください。
まとめ
英検準1級の取得は容易ではありませんが、合格すれば英語力の大きな自信となり、進学や将来の選択肢を広げてくれるでしょう。
本記事でご紹介した試験概要や学習法のポイントを踏まえ、ぜひ計画的にチャレンジしてみてください。
なお、英検対策について不安な点がございましたらさくらOne個別指導塾の活用もご検討ください。
当塾では一人ひとりのペースに合わせた英検準1級対策指導を行っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様の健闘を心よりお祈りいたします。
