立教新座高等学校の特色と入学するための受験対策
学校について
立教新座高等学校は学校法人立教学院が運営する中高一貫校です。
1948年、池袋に立教中学校と立教高等学校が設立されましたが、そのうち、高等学校が1960年に新座に移されました。ながらく、中学校は池袋、高等学校は新座と別々の場所で運営されていましたが、2000年に新たに立教新座中学校が開学し、それに伴って高校名を立教新座高等学校と改めます。
立教新座高等学校は立教大学新座キャンパスの敷地内にあります。最寄駅から1~1.5kmしか離れていないため、通学しやすい便利な場所にあるといってよいでしょう。
1クラス約40名で8クラス編成となっており、1学年320名程度の規模となります。学力別のクラス編成は取らず、内部進学者と一般受験生は区別しない混合クラス編成です。高校2年時に立教大学以外への進学に対応するためのクラスを1クラス編成します。
10万㎢に及ぶ広大な敷地をもつ立教新座高等学校は充実した設備に恵まれた学校です。日本陸上競技連盟公認の1周400メートルのトラックをもつセントポールズ・フィールドやサッカー場、野球場、テニスコートなどの野外設備をはじめ、温水プールや体育館、柔道場、剣道場、体操場など屋内施設も充実しています。
また、自然災害の発生に備えた水や食料、発電機、防災毛布なども備蓄し、万が一の事態にも備えています。
教育について
立教新座高等学校で重視しているのは「自由と自律の精神」です。学校生活の中の様々な場面で、自ら学び考える教育を重視します。そして、自分でつかんだテーマを深く掘り下げ、解決を模索する豊かな人間性を養うことを目指します。
自由と自律の精神をはぐくむ教育
決められたルールの中で学び、その中で高校生活を送るのではなく、「生徒一人ひとりが自主的に考え、自分に合った学びを自分で選び取り、深めていく」ことを目指しています。
出典:立教新座高等学校 https://niiza.rikkyo.ac.jp/education/senior.html
立教新座高等学校では、高校生活を「自立した大人へと成長する」ための3年間と位置づけ、知性・感性・身体をバランスよく成長させる全人的な共育を展開します。大学受験だけを意識した先取り授業などは行わず、論理的な思考力の育成や基礎学力の充実に力を入れています。
そのために、立教新座高等学校では特長的なプログラムを取り入れています。それが、選択科目の充実や高校3年生が受ける自由選択授業、卒業研究論文の執筆です。
充実した選択科目
立教新座高等学校では、バラエティに富んだ科目選択が用意されています。1年生は芸術科目、2年生は理科と社会、体育、3年生は国語・数学・体育の教科内選択や理科、社会の選択が可能です。
選択科目を充実させている理由は、不得意対応や得意科目のさらなる伸びといった生徒の要望に対応するためです。選択肢が多い分、一つの選択科目を受講する生徒の数は少なく、少人数講座を多くつくることができます。選択教科の内容は指導する教員の専門分野に近く、高校の範囲を越えた興味深い内容を講義できます。
自由選択科目
3年生なると、必修の選択科目とは別に3講座を選んで受講する自由選択科目があります。自由選択科目は80の講座の中から自分の興味があるものを3つ選んで受講します。生徒は自分の将来を踏まえ、主体的に講座を選び、自らの学びを深めます。
卒業研究論文
立教新座高等学校では、総合的な学習の一環として卒業研究論文を執筆します。卒業研究論文の準備は2年生の3学期から始まります。そして、4月からは卒業論文に関係する科目を選択。9月には仮提出します。そこから、推敲・修正等を経て11月に提出します。
卒業研究のテーマは特に決められておらず、自分の興味・関心があるものを主体的に選びます。たとえば、ある生徒はインフラ整備を調査する卒業研究論文を書きました。その後、大学では応用化学を学ぶ道に進みます。論文を書く過程で、論理的思考力はもちろん、表現力も鍛えられます。
グローバルリーダーの育成
立教新座高校は、今後、垣根をなくし人とのかかわりを重視するグローバルな視点や行動が必要だと考え、他社と力を合わせるグローバルリーダーの育成を目指しています。カリスマ的な指導力ではなく、メンバーの力を引き出すようなリーダーシップこそが現代社会で必要だと考えているからです。
グローバル教育
自分と異なる他者と力を合わせ、社会で生き残るためには異文化を体感的に知ることが重要であると考え、積極的な国際交流を実践します。
具体的には1年以上の長期留学や4か月間のワンターム留学、4種類のテーマが設定された短期プログラムや外国人留学生の受け入れなどがあげられます。こうした取り組みを通じ、語学力だけではなく相手の文化を理解する力を身につけるのがグローバル教育の目的です。
リーダーシップ教育
強力なカリスマを持ったリーダーがけん引するモデルは現代では通用しにくいと考え、「多様な価値観や文化を受け入れながら、周囲の人々を巻き込み、共に行動し、付加価値を創出する能力」をもったリーダーの育成を目指します。
出典:立教新座高等学校 https://niiza.rikkyo.ac.jp/globalleader/index.html
そのために、高校2年生の時に「情報と科学」の授業で生徒にプレゼンテーションを行わせます。また、高校3年生の自由選択科目で立教大学の教員が担当する講座を新設。大学で行われているグローバル・リーダーシップ・プログラムの授業を高校でも受講できるようにしました。
進学について
立教新座高等学校の卒業生のうち、80%が推薦で立教大学に入学します。立教大学推薦入試の基準をクリアしていれば推薦されます。特に試験などはなく、希望者の99%が合格し立教大学に入学します。
立教大学推薦基準は以下の通りです。
1.卒業研究論文を提出し、認定されること
2.英語についての一定の能力が認定されること
3.国語についての一定の能力が認定されること
4.その他の科目の能力が認定されること
5.学校生活上の状況が良好であること(出欠状況等)
6.立教大学への進学を希望し、勉学の意志を明確にもっていること
7.自己推薦項目で一定のポイントを取得していること
8.高校が定める卒業に必要な単位を修得していること
出典:立教新座高等学校 https://niiza.rikkyo.ac.jp/education/after_graduation.html
また、推薦対象者は学内順位に応じて希望学部を選ぶことができます。
希望の学部に入るためにも、高校在学中の勉強は欠かせません。
立教大学を志望しない生徒は、立教大学にない医・歯・工・薬学系を目指すため他大学に進学します。近年は海外の大学に進学する生徒もいます。立教新座高等学校では、高校2年生のときに他大学進学クラスを編成して対応しています。
立教新座高等学校の受験情報
一般入試
受験日 | 2021年2月1日(火) |
出願期間 | 2022年1月9日(日)12:00~1月24日(月)23:59 |
募集定員 | 約60名 |
出願資格 | 2022年3月中学校卒業見込みの男子及び中学校を卒業した男子 |
試験科目 | 筆記試験:数学・国語・英語(リスニング含む) |
合格発表 | 2月2日(水)16:00 |
推薦入試
受験日 | 一次:書類審査 二次:1月22日(土)面接 |
出願期間 | 2021年12月11日(土)12:00~2022年1月4日(火)23:59 |
募集定員 | 約20名 |
出願資格 | 下記の条件1~6をすべて備えていること。 1.2022年3月中学卒業見込みの男子 2.本校を第一志望とし、合格した場合必ず入学すること 3.3年間の欠席日数の合計が21日以内の者 4.中学3年2学期の9教科5段階評定の合計が36以上かつ2以下がない者 5.中学時の課外活動・学外活動において、次のA・Bいずれかの条件を満たしている者 A.体育活動において、都道府県レベル以上の大会でベスト8以上の成績を残した者。ただし、団体競技の場合は、試合に出場した者に限る。 B.文化活動において、都道府県レベル以上のコンクールで入賞またはそれに相当する成績を残した者。ただし、団体の場合は、大会に参加したメンバーに限る。 6.入学後は出願資格5に関わる本校のクラブ活動に所属し、その優れた実績をさらに伸ばす意志を持ち、学業との両立を図る意志のある者 |
試験科目 | 書類審査、面接 |
合格発表 | 一次:1月14日(金)10:00 二次:1月23日(日)10:00 |
入学手続き
合格発表後、以下の期日に入学手続きを終え、納入金の払い込みを終了させなければなりません。
手続き時に納入金400,000円の納付が必要です。
一般入試 | 2月2日(水)16:00~2月8日(火)16:59 |
推薦入試 | 1月23日(日)10:00~1月27日(木)23:59 |
立教池袋高等学校の入試対策
立教新座高等学校の試験は一般試験と推薦試験の2種類です。
立教新座高等学校の偏差値は70以上とされるかなりの難関校です。そのため、学科試験の難易度は高く、そう簡単に合格できません。
国語
出題形式は論説文2題と小説1題。漢字の書き取りなど標準的な問題が出題される反面、記述問題が多めです。そのため、記述対策にどれだけ取り組んだかが合否を左右します。
また、出題される課題文が比較的長いため、速読力も必要です。普段から読書などを通じ、文章を読み込む経験を積んでおくべきでしょう。夏休みまでに漢字対策、夏休み後は記述対策を行うのがベストです。
数学
出題形式は、第1問が小問集合、それ以外の大問で各単元の内容を出題します。出題内容に大きなかたよりがなく、満遍なく対策することが必要です。小問集合は標準的な内容が多いので、失点は避けたいところです。よく出題される分野は「2次関数」「確率」「平面図形」「空間図形」です。
単元ごとの問題の難易度は高めで、応用問題が多めです。また、計算に時間がかかる問題も出題されるため、計算力の強化は必要不可欠。夏休み前までに基礎問題や各単元の章末問題をやりおえ、弱点探しをしておきましょう。夏休み以降は、苦手単元に集中的に取り組み、受験までに穴をなくします。
英語
出題形式は大問1~3でリスニング、大問4~6が長文読解、大問7、8で長文読解や英訳、整序問題などを出題します。ただし、出題形式は年によって異なるので、過去問を解き、様々な形式に慣れておかなければなりません。
入試問題の特徴は、問題数が多いということです。英文を素早く読み、次々と問題を解くための速読力が要求されます。夏までに速読力やその基礎となる単語力を鍛え、夏以降は過去問を中心に実践的な取り組みをするのが良いでしょう。
難関校対策こそ個別指導塾が望ましい
立教新座高等学校は、80%の学生がほぼ無試験で立教大学に入学できる付属高校です。その分、高校入試の難易度は高く、埼玉県内でもトップクラスの難易度を誇ります。一般試験での難易度の高さはもちろんのこと、推薦試験でも中学在学時にどれだけ頑張ったかが問われます。
難関校に合格するためには、学校の勉強や家庭学習だけでは不十分です。集団指導塾でもよいのですが、できれば、きめ細かい指導を受けられる個別指導型の学習塾がおすすめです。