立教池袋高等学校の特色と入学するための受験対策
学校について
立教学院は明治7年に開かれた伝統あるミッションスクールです。
今回取り上げる立教池袋高等学校は立教学院を構成する学校の一つで、小学校から中学校、高校、大学と一貫した教育を受けられるという特徴があります。JR池袋駅からおよそ800mの場所にある立教池袋高等学校は、立教大学のキャンパスに隣接する住宅街の中にあります。
1クラス約40名で8クラス編成となっており、1学年120名程度の規模となります。各学年において毎年クラス替えがあり、クラスや学年を越えた交流も盛んです。
学校設備が充実しているのもこの高校の特徴で、70,000冊を越える蔵書を持つ図書館や、全面人工芝のグラウンド、50m×6コースのプールやトレーニングルームなど充実した設備が整えられています。
立教池袋高等学校ではクラブ活動を“学友会”とよび、2021年現在で運動部が11、学芸部が15と1団体あります。
仲間と共に6年間切磋琢磨する学友会は、テーマを持ち共に生きるための重要な活動と位置づけられています。
教育について
立教池袋高等学校の教育目標は次の2つです。
・テーマを持って真理を探究する
・共に生きる
1つ目の「テーマを持って真理を探究する」は、自ら主体的にテーマを探し、学び続けることを意味します。
以前の常識が通用しなくなりつつある現在、自分の力で目標を見出し、実行する能力が必要となります。立教池袋高等学校では、生徒の個性に合わせた豊富なカリキュラムを準備しました。
高等学校では3年時に週2時間の自由選択講座を設定されます。この自由選択講座は、立教大学の教員や大学院生が担当する授業で、生徒は自分の興味や進路にあった講座を選べます。
2つ目の「共に生きる」とは、多様性を尊重した生き方を育てることです。
グローバル化が進展し、自分とは違う価値観や文化、思想を持った人とも共存することが求められる現代人にとって、共に生きる資質は最も必要とされるものとなるでしょう。
この2つの目標を達成するため、立教池袋高等学校では様々な取り組みが行われています。
個人の能力やカリスマ性を高めるリーダーシップ教育や社会人として生きるための基礎的能力を身につけるキャリア教育、海外との交流を通して異文化理解を進める国際プログラムなど多様な活動を実践しています。リーダーシップ教育といっても、カリスマ性を持った突出したリーダーをそだてるだけではありません。
個性を持った個人をまとめあげ、全員が実力を発揮できるチームをつくるリーダーシップの育成こそが、立教池袋高等学校が考えるリーダーシップです。
また、系列の立教大学との連携も立教池袋高校の特色の一つです。
高校3年生が立教大学の授業を受講できる立教大学特別聴講生制度や高校3年生が受ける自由選択講座、立教大学の学生による学習ボランティアなど大学との結びつきがある高校ならではの取組がなされています。
進学について
立教池袋高等学校では、立教池袋中学校からの推薦制度を設けています。
推薦の基準は「中学3年の中期(2学期)において、中学1年・中学2年を含む全教科合格であり、かつ生活指導上特別な問題がないこと」です。立教池袋高等学校の進学先の9割が立教大学で、2020年度には卒業生の94%が立教大学に進学しています。
立教大学に推薦で進学するための条件は次の6点です。
1.高等学校が定める卒業に必要な単位を修得していること。
2.学校生活上の状況が良好であること。
3.立教大学への進学を希望し、勉学の意思を明確にもっていること。
4.卒業研究論文を提出し、認定されること。
5.英語について一定の能力を習得していること。
6.高等学校長宛に自己推薦レポートを提出し、認定されること。
出典:https://ikebukuro.rikkyo.ac.jp/education/path.html
また、学部学科の決定方法は高校3年間の成績や卒業研究論文、自己推薦などの評価をポイント化したうえで、上位者から順番に自分の希望の学部・学科を選ぶというものです。
外部進学先としては、国際基督教大学(ICU)、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、千葉大学、東京工業大学、中央大学などがあります。
立教池袋高等学校の受験情報
入試日程
毎年、2月上旬に実施されます。
2022年度は、2月10日(木)
出願資格
第一志望受験とオープン受験があります。
第一志望受験を希望する場合、事前に立教池袋高等学校が実施する入試相談を受けなければなりません。
高校側が定める基準は以下の通りです。
1.本校への進学を強く志望し、合格した場合は必ず入学を確約できる者
2.入試相談時に提出できる第3学年の5段階評定値が、5科合計20以上、9科合計40以上、9科で1、2を有しないことを全て満たしている者
3.体育活動や文化活動などに顕著な実績を有する者、又は学校生活や地域社会における優れたリーダーシップを有する者(※)で、本校の学校生活を通して更なる活躍が見込まれる者
4.中学3年間の総欠席日数が10日を超えていない者
中高一貫教育を重視する立教池袋高等学校では、高等学校からの入学は例外的です。もし、立教池袋高等学校に入学を希望する場合は、中学校から入学することをお勧めします。
そのためには、早い段階から学習サポートを受けられる環境を整備することが大切です。
試験科目
作文
作文の字数制限はありません。
30分の試験時間内で複数の問いに答えるもので、自分の思いや人物像が伝わる内容が求められます。
個人面接
「調査書」や「活動内容報告書」、「活動内容証明資料」、「入試相談資料」を選考資料として用います。
また、試験当日に課される「作文」も個人面接の資料として使用します。
合格発表
2月10日(木)~2月11日(金)
インターネット上でのみ発表します。
入学手続き
合格発表後、試験の翌日(2月11日)の12:00までに手続きを完了しなければなりません。
手続き時に納入金400,000円の納付が必要です。
納入金の内訳は、入学金300.000円、維持資金の一部100.000円です。
立教池袋高等学校の入試対策
立教池袋高等学校の入試は作文と面接のみです。
重要なのは、試験当日に使用される調査書や当日実施される作文です。
調査書には成績や特別活動の記録など中学校生活3年間でどのような生活を送ってきたかが記載されています。また、3年間の評定平均も記載されているので、その場だけの付け焼刃の対策では合格できないでしょう。
過去6年間を見ると、受験者数148名、合格者数88名で合格率は59.4%です。二人に一人程度しか合格できないことから考えると、厳しい入試であることがわかります。
本気で合格を狙うなら、中学校の定期テストの力を入れ、生活態度などが学校側から見て模範的である必要があります。さらに、部活動や特別活動にも積極的に取り組み、意欲的な姿を面接官に見せなければ合格はおぼつきません
それらのことを達成するには、学校の勉強や家庭学習だけでは不十分です。
できるだけ充実した環境で、効率よく学習サポートを受けられる状態にしておく必要があるのです。学習塾、できれば、個性に合わせた指導を受けやすい個別学習塾を検討するのが最も望ましいのではないでしょうか。