【中学受験】首都圏でプログラミング入試を実施している私立中学校まとめ【東京・神奈川・埼玉】

近年、プログラミング教育の充実が進む中で、中学受験においてもプログラミング入試を実施する学校が増えています。

今回は、東京都、埼玉県、神奈川県の3都県に絞り、各校の試験内容、評価対象、受験に必要な知識、募集人数・倍率、住所、などを詳しくまとめました。

プログラミング入試とは?

プログラミング入試は、プログラミングの能力を評価する入学試験です。従来の学力試験とは異なり、論理的思考力、創造力、そして課題解決能力など、21世紀に求められるスキルを測るユニークな試験形式です。

2020年に小学校のプログラミング教育が必修化、2022年に高校の情報Iが共通必修科目になり、2025年からは大学入試共通テストで情報Iが開始されました。

段階的にプログラミング教育が必修化される中で、中学受験においてもプログラミングを入試に使う学校が増加傾向にあります。

入試形式は学校によって多種多様で、スクラッチやマインクラフトを使用したり、ジュニア・プログラミング検定による加点・免除制度などがあります。

試験内容はプログラミングと面接の組み合わせが主流ですが、レポートの作成やプレゼンテーション、算数や英語を必要とする学校もあります。

プログラミング入試は入試内容が1年ごとに変化しやすいため、早めの情報収集と、学校ごとの対策が重要になってきています。

プログラミング入試を実施している私立中学校

1. 駒込中学校(東京都)

試験内容

駒込中学校では、プログラミング入試として、まず小学校範囲の算数問題を50分で解く「Ⅰ:算数」、続いて約1時間50分でプログラミング課題に取り組む「Ⅱ:プログラミング」の二部構成です。プログラミング課題はScratchを使用した問題が出題されます。

評価対象

算数試験では論理的思考力や推理力を、プログラミング試験ではより簡潔で完成度の高いプログラムが求められます。

受験に必要な知識

算数は、第3回入試 2科・4科と同じ問題が出題されます。駒込中学校の算数の対策ができていれば十分でしょう。

プログラミングは、Scratchの基礎能力および、「Scratch × 化学」や「Scratch × 算数」のようにScratchとSTEAMを掛け合わせた総合力が問われます。

募集人数と倍率

募集人数は10名です。実績として、2025年度入試は受験者8名に対し合格者が2名と、実質倍率は4倍前後で推移している模様です。

項目内容
学校住所〒113-0022 東京都文京区千駄木5-6-25
学校アクセス東京メトロ南北線「本駒込駅」徒歩5分
千代田線「千駄木駅」徒歩7分
都営三田線「白山駅」徒歩7分
都バス 草63-駒込千駄木町(駒込学園前下車)
募集人数10名
倍率目安約4倍
公式HPhttps://www.komagome.ed.jp/

2. 聖徳学園中学校(東京都)

試験内容

聖徳学園中学校のプログラミング入試(旧称:Minecraft入試)は、でマインクラフトの指定ワールド内でブロックプログラミングの課題に取り組む形式です。受験生はマインクラフトの指定ワールド内で提示された課題に取り組み、自由にワールドをデザインおよびプログラミングをします。

その後、作品について面接やレポートを通じて評価されます。面接は形式ばったものではなく作品について問答し、レポートも原稿用紙ではなく白紙に自由に記載する形式になります。

試験時間は合計で90分です。

評価対象

論理的思考力、課題解決力、コミュニケーション能力、そしてデザインセンスや表現力が総合的に評価されます。プログラミング入試では、単にプログラムを書く力よりも、発想力や問題発見・解決能力が重視されます。

また面接やレポートを通じて、内省し言語化する力も評価されます。

受験に必要な知識

マインクラフトの基本操作および、マインクラフト上でのブロックプログラミングの知識が求められます。

また自由創作型の試験なため、アイデアを発想して形にするまでの一連の流れを行える必要があります。パソコンやゲームでの創作が好きで、主体的に行動できると望ましいでしょう。

募集人数と倍率

募集定員は約5名程度。毎年、志願者数は20名前後で、倍率は約3倍となっています。倍率は1.86(2023年度入試)、3.17(2024年度入試)、3.50(2025年度入試)と増加傾向にあります。

項目内容
学校住所〒180-8601 東京都武蔵野市境南町2-11-8
学校アクセスJR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」徒歩3分
募集人数5名
倍率目安約3倍
公式HPhttps://jsh.shotoku.ed.jp/

3. 八王子実践中学校(東京都)

試験内容

八王子実践中学校では、プレゼンテーション入試(プログラミング型)として、サーティファイ社「ジュニア・プログラミング検定」Scratch部門3級以上の資格取得が出願条件となっています

受験生は自作のScratch作品を用いて、面接官の前で作品のデモンストレーションとプレゼンテーションおよび質疑応答を行います。面接は受験生1名に対し面接官2人、約10分で行われます。

評価対象

プログラミング技能、創造性、工夫、そしてそれを他者に伝える表現・プレゼンテーション能力を重視。論理的思考力や探究心も総合的に評価されます。

受験に必要な知識

Scratchによるプログラミングの知識および経験が必要です。

出願資格としてジュニア・プログラミング検定3級以上が必要な点からも、検定合格相当のプログラミングスキルと作品制作の実績が前提となります。

募集人数と倍率

プレゼンテーション入試全体では定員約15名ですが、プログラミング型を選択する受験生は少数です。2025年度入試はプログラミング型受験者2名が全員合格しています。

項目内容
学校住所〒193-0931 東京都八王子市台町1-6-15
学校アクセスJR中央線「八王子駅」南口より徒歩13分
京王線「京王片倉駅」徒歩15分
京王線「京王八王子駅」徒歩20分
募集人数15名(プレゼンテーション入試合計)
倍率目安約1倍
公式HPhttps://hachioji-jissen.ac.jp/

4. 相模女子大学中学部(神奈川県)

試験内容

相模女子大学中学部では、プログラミング入試が適性検査型入試と同日に実施され、当日はまず機材の使い方に関する導入授業(30分)を行い、続いてプログラミング課題(70分)に取り組みます。場合によってはレゴ製ロボットなど実物を用いた試験もあり、実際にセンサーやロボットを動かす課題が出題されます。

その後、発表・ディスカッション(20分)および、基礎計算力テスト(20分)が実施されます。

評価対象

プログラミングの正確性よりも、未知の課題に対する取り組み方、試行錯誤のプロセス、創意工夫、そして協働力など非認知能力を重視した評価が行われます。

受験に必要な知識

特定のプログラミング言語やツールの事前習熟は不要です。試験当日に機材説明があるため、プログラミング未経験者でも現場で学びながら対応可能となっています。小学校でのプログラミング学習経験やロボット・電子工作への興味があれば望ましいですが、重要なのは学びながら試行錯誤できる柔軟性であり、知識量より態度面が重視されます。

計算テストは、小学校で学習する範囲の基礎的な算数の問題が出題されます。

募集人数と倍率

プログラミング入試の詳細な募集定員数は不明です。

プログラミング入試は2つの日時で実施され、2024年度入試の倍率は、第一回は1.3倍、第二回は2.2倍でした。第一回の受験者数は13名(内10名合格)、第二回の受験者数は11名(内5名合格)でした。

例年、第一回が1倍強、第二回が2倍前後で推移しています。

項目内容
学校住所〒252-0383 神奈川県相模原市南区文京2-1-1
学校アクセス小田急線「相模大野駅」北口より徒歩約10分
募集人数全入試形態の合計で120名
倍率目安約1.3〜2.2倍
公式HPhttps://www.sagami-wu.ac.jp/chukou/

5. 北鎌倉女子学園中学校(神奈川県)

試験内容

北鎌倉女子学園中学校のプログラミング入試は、60分間のプログラミング実技試験と約10分間のプレゼンテーション・質疑応答で構成されています。試験ではiPad上でScratchを使用し、与えられた課題を解く形式になります。

評価対象

プログラミングの基本理解、創造性、論理的な説明力、そしてプレゼンテーション能力をルーブリック評価で総合的に採点します。

受験に必要な知識

Scratchの基本操作を習得していることが望ましいです。

試験では当日に基礎解説があるため初心者も参加可能ですが、課題の難易度は普段からScratchで制作をしている小学生レベルを想定しています。したがって簡単なゲームやアニメーションを作った経験、プログラミングに触れた経験があると有利です。加えて、自分のアイデアを形にして説明する練習(作品発表の経験)があると本番で実力を発揮しやすいでしょう。

募集人数と倍率

プログラミング入試の詳細な募集定員数は不明です。

2024年度は3名が出願し、受験者1名の内1名が合格し、倍率は約1倍でした。

項目内容
学校住所〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内913
学校アクセスJR横須賀線・JR湘南新宿ライン「北鎌倉駅」徒歩7分
募集人数全入試形態の合計で95名
倍率目安約1倍
公式HPhttps://www.kitakama.ac.jp/

6. 聖和学院中学校(神奈川県)

試験内容

聖和学院中学校では、英語プログラミング入試が2020年度から導入されています。KOOV(ソニー社のロボット製作キット)を用い、ロボットを組み立てプログラミングする課題と、試験官の英語による指示のもとでの作業が行われます。試験時間は事前説明が45分、英語プログラミングテストが60分です。試験後は、受験生が作品についてネイティブ試験官へ英語で説明する必要があり、プログラミングと英語の両面が試されるユニークな入試です。

評価対象

ICTリテラシーと英語運用能力の両方が評価されます。与えられた課題通りにロボットを動かす論理的思考力、さらに英語でのコミュニケーション力が重視されます。

受験に必要な知識

基礎的な英語力(英検3~4級程度の聞く・話す力)とブロック型プログラミング経験が求められます。KOOVやレゴなどブロック教材の組み立て・プログラミングに触れたことがあると有利でしょう。

もっとも、プログラミングと言語の双方を扱う入試のため、英語とプログラミング双方に抵抗がないことが前提となります。聖和学院では中1からネイティブ教員によるプログラミング授業を行っているため、そうした授業についていけるICT×英語の素養を示すことが望ましいといえます。

募集人数と倍率

試験日は2回あり、募集定員は10名と若干名に分かれています。ただし、この募集定員数は「英語プログラミング」「ビブリオバトル」「プレゼンテーション」という3つの入試方法を合わせた合計の値です。

英語プログラミング入試の正確な入試倍率の値は不明でしたが、同試験日での入試倍率は約1~2倍となっています。

項目内容
学校住所〒249-0001 神奈川県逗子市久木2-2-1
学校アクセスJR横須賀線「逗子駅」徒歩8分
京急逗子線「逗子・葉山駅」徒歩10分
募集人数10名+若干名(他の入試形態も含む)
倍率目安約1〜2倍
公式HPhttps://www.seiwagakuin.ed.jp/

7. 埼玉平成中学校(埼玉県)

試験内容

埼玉平成中学校のプログラミング入試は、約60分間の100点満点で実施され、「基礎的なプログラミング」と記載されていますが詳細は公開されていません。詳細を取得するには、入試説明会に参加する必要があります。

募集人数と倍率

募集定員は、1科試験(算数入試と国語入試も含む)で毎年約10名になります。

プログラミング入試の受験倍率は不明ですが、1科試験の倍率は約1~1.5倍程度です。

項目内容
学校住所〒350-0435 埼玉県入間郡毛呂山町下川原375
学校アクセス東武越生線「川角駅」より徒歩5分。
スクールバスあり(JR八高線・川越線「高麗川駅」から約25分、西武池袋線「飯能駅」から約55分)
募集人数10名(他の入試形態も含む)
倍率目安約1〜1.5倍
公式HPhttps://www.saitamaheisei.ed.jp/

おわりに

東京・神奈川・埼玉でプログラミング入試を実施している中学校をご紹介しました。

お子さんの興味や特性に合った学校選びの参考になれば幸いです。プログラミング入試の可能性を広げるため、早めに情報収集を始めましょう!

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