法政大学中学校の特色と入学するための受験対策
はじめに
中学受験は、まだまだ遊び盛りの小学生が挑む、言わば戦いと言っても過言ではありません。
地元の中学校へ進む友達が沢山いる中で、あえて違う進路を選択するには様々な意味で覚悟も必要です。
遊びも寝る間も惜しんで受験に臨むのはお子様ですが、あらゆる面での親御様のサポートなくして、中学受験の成功はありません。また、どんな中学に進ませたいのか進みたいのか。志望校選びは非常に重要です。
特に大学の附属校であれば、10年間通うことになる訳ですから尚更でしょう。
まずは気になる学校の情報集めをしていくことから始めましょう。
学校の特色
法政大学を系列にもつ附属中学は首都圏に何校かあります。
今回は、東京都三鷹市にある法政大学中学校(男女共学)を志望される親御様へ向けての学校情報と、合格を勝ち取るための受験対策についてお伝えします
教育理念
法政大学の「自由と進歩」の校風と、「自主・自立」の精神を育む教育理念を持ち、
*安心・安全
*信頼・共同
*対話・討論
これらを重視するとともに、日本国憲法と教育基本法や子供の権利条約の理念、そしてそれらの精神に則った教育を行っています。
3つの教育目標
- 基本的人権の尊重と平和で民主的な社会形成に資する主権者を育てること
- 自由と進歩を体現し、主体的・創造的な人間を育てること
- 健康な心身、豊かな知性・教養、思考・判断力を有する人間を育てること
クラス編成やカリキュラム
- クラス編成
1クラス35名、1学年4クラス編成です。(高校は1クラス40名、6クラス編成)
少人数制であるため先生の目もよく行き届き、一人一人がしっかりと把握される環境です。クラスメートとの距離も近く、アットホームな雰囲気を感じられるでしょう。
- カリキュラム(1年生~2年生)
*基礎学力を養う→学習習慣を身につける指導と課題を提示
*複数教員と少人数クラス→数学や英語は複数の教員による少人数指導
- カリキュラム(3年生)
*高校からの学習意識→学習時間の確保
*各教科の先取り→高度な内容を身につけ、TOEIC Bridge等の受験で英語力を伸ばす
研究・行事・体験
入学後から様々な行事が行われ、新たな中学校生活にも徐々に慣れていきます。
6月の陸上競技会や9月の文化祭は、学年の垣根を超えた大きなイベントとして一致団結を図ります。
机上の学問だけでは得ることのできない、貴重な体験が満載です。
(例)
*新入生歓迎会:学校や先輩方との交流
*1年生オリエンテーション:学校や友人を知る絶好の機会
*演劇教室:生の芸術に触れる
*2年生林間学校:飯盒炊飯や自然との戯れで心身の成長の機会
*3年生(希望者)カナダ語学研修:異文化交流と国際性を育む
その他、校外学習の機会が盛沢山です。
クラブ活動
11体育会と8文化会があり、それぞれの活動日は様々です。
高校生との混合クラブは、先輩後輩との交流も深められるでしょう。
ブラスバンド部は、高校の部において東京都高等学校吹奏楽コンクールで金賞等、
ラグビー部やその他の体育会クラブにおいても素晴らしい成績が修められています。
卒業後の進路
ほとんどの生徒が法政大学高等学校へ進学します。
高校から約2クラス分の新たな生徒が加わり、1年生から混合クラスとなって
学習やクラブ活動等の学校生活を共にします。
学校アクセス
・京王井の頭線「井の頭公園」下車徒歩12分
・JR三鷹駅南口より京王バス「西ヶ原」下車徒歩5分
・京王井の頭線久我山駅より京王バス「西ヶ原」下車徒歩4分
・京王線調布駅北口より京王バス14番「下連雀」下車徒歩12分
・京王線調布駅北口より小田急バス13番「下連雀」下車徒歩12分
制服
男子:
(冬服)紺色ブレザー、スラックス、ネクタイ
(夏服)プルオーバーシャツ
女子:
(冬服)紺色ブレザー、スカート、リボン、紺ハイソックス
(夏服)プルオーバーシャツ
入学試験について
入試方法と日程(2022年度入学)
*第1回(男女約50名):2月1日
*第2回(男女約50名):2月3日
*第3回(男女約40名):2月5日
◎検定料は各々25,000円
◎複数回受験可能(2回もしくは3回の場合、検定料は一部減額。詳細はH.P.参照のこと)
出願方法
インターネット出願のみ(12月中旬よりWebフォーム入力開始。出願は1月10日~)
帰国生(在留1年以上で、2021年4月以降の帰国に限る)は別途相談のこと
学費
中学1年時にかかる費用は以下の通りです。
*入学金:300,000円
*年間費(1年時):887,877円
(内訳)・授業料516,000円・教育充実費 225,000円・教材費 7,100円・生徒会・PTA会費等 38,930円・実習費・行事費等 100,847円
その他、制服や指定用品代、教科書代等が別途必要になります。
入学試験対策について
法政大学中学校の入試のチャンスは3回あります。(繰り上げ合格可能性もあります。)
何がなんでも入学したい!という方は是非チャレンジして合格を勝ち取りましょう。
入試問題は3回異なりますが、出題傾向は同じですのでしっかり把握しておきましょう。
国語(50分)大問は2つ(150点)
- 長文(物語文)
- 長文(説明文)
ほとんどが記号選択で答える問題ですが、記述問題が各々1題程度出題されます。
この記述も単純な文章からの抜出しではなく、本文内容を使用してうまく表現する力が試されます。漢字書き取りでは、誤字・脱字、留めハネなども慎重に採点されます。
対策:50分間で2つの長文を読みこむには、ある程度の速読も必要になります。
物語文と説明文、内容タイプは違いますが、作者や筆者の趣旨や意図をしっかりと読み取ることが正答率につながります。特に記述の練習には常日頃から文章を要約する練習が必要です。また、漢字や文法、諺や慣用句など、普段の暗記や練習の積み重ねがそのまま結果に反映されますので、コツコツと続けましょう。
算数(50分)大問は5つ程度(150点)
- 様々な計算問題と特殊計算問題(10問)
- 図形(平面・空間)、場合の数、量などについての問題(3問セットで4大問)
小学校で習う基本問題から中学受験独特の分野に至るまで幅広く出題されます。
問題量や難易度は、毎年ほぼ同レベルです。
対策:時間が限られていますので、出来る問題から解きましょう。計算ミス等は命取りとなりますので、最後の見直す時間もなるべく作るようにしたいところです。
また正確かつスピードも重要ですので、毎日の計算訓練は毎日欠かさず行いましょう。
基本事項の確認や練習問題を重ねること、過去問をしっかり分析して傾向を掴み、不得意分野(弱点)を克服しておくと試験当日落ち着いて試験に臨めます。
社会(35分)大問は3つ(100点)
- 歴史
- 地理
- 公民
上記の3分野の構成になりますが、歴史と地理の比重がやや大きいです。
幅広い知識や教養が問われ、歴史分野では時代背景の事象も出題されています。
テストは記号選択や適語補充、記述問題で構成されます。人物名や用語が正しい漢字がで書かれているかも採点に判断されます。
対策:
社会科に関しては知識があるかどうかが大きく左右します。知識あってこそ、そこから推測する力にも影響します。特に公民分野などは小学生新聞やニュース雑誌などに目を通しておくと時事問題にも強くなります。
また、グラフや統計図などを見る習慣をつけておくのも得策です。
理科(35分)大問は5つ(100点)
- 生物、物理、化学、地学の分野から万遍なく出題
解答形式はほぼ記号選択ですが、単なる知識だけでなく、実験や観察結果の理解と考察する力が求められるため、答えを選択する際には充分な読み取り力も必要となってきます。
対策:
全ての分野において基礎知識を備えておくことは、言うまでもありません。
科学や自然など、理科全般に渡る様々な問題に日々意識を向けることが大切です。
過去問にもしっかり目を通し、出題傾向を参考に不得意分野の強化に努めましょう。
最後に
いかがでしたか?
中学受験は本当に過酷な戦いとなります。しかしその分、合格を勝ち取った時の喜びもひとしおです。
10年間通うことになる大学附属中学選びは非常に重要です。
法政大学の自由と進歩の校風やモットーに魅かれる受験生にとっては、大変おススメの中学です。