総合型選抜の小論文の概要と対策

総合型選抜の小論文の概要

「総合型選抜」はアドミッションポリシーに基づいて、面接や小論文を通じて志願者の総合的能力を評価する入試方式です。
以前は「AO入試」と呼ばれていましたが、学力も含めた総合的な評価を重視する目的から名称が変更されました。


総合型選抜では、調査書や志望理由書の作成、小論文や面接などのプロセスを経て合否が決定されます。
一般選抜・学校推薦型選抜と比べると期間が早く、早期の準備が求められます。

総合型選抜でポイントとなるのは、課外活動など学科以外の評価です。
とりわけ、特化した対策が必要となるのが小論文です。

多くの受験生は、小論文特有の試験方式に慣れていないため、意識的に早めの準備に取りかからなければいけません。

小論文試験とは


小論文試験は、総合型選抜の重要な要素です。

志願者が自身の問題意識を具体的に表現し、それに対する自己の考えを論理的に表現する力が求められます。
したがって、小論文の作成過程では個人の知識や観察力、論理的思考力を高める必要があります。

小論文試験では論題の設定と構成力が問われます。

与えられた課題文やグラフなどの資料から共通の論題を導き出し、自分の意見を論理的に記述することが求められます。
読解力や記述力のほか、資料を的確に読み取る数学的分析力も必要です。

小論文の具体的な対策

小論文試験の具体的な対策を以下にみていきましょう。

小論文の対策開始時期

9月に出願となるため、遅くとも受験年度の春頃(4月)には対策を開始するとよいでしょう。

小論文対策のポイント

志望する大学や学部・学科によって小論文のテスト形式は異なりますが、どのような形式であれ、日頃から読解力と論述力を高めておくことが小論文対策のポイントになります。

そのためには、与えられた字数に合わせて、論理的な
段落構成を瞬時に考えられるような訓練が必要です。

具体的には、実際の過去問を制限時間内に繰り返し解いてみることで、小論文の読解や論述の形式にひたすら慣れることです。
いかなる課題に対しても、自分なりの意見を的確かつ端的な文章でまとめられるようにしておきましょう。

ただ、活きた文章は何もないところからは生まれません。
日頃から自分の中にさまざまなジャンルの背景知識を蓄え、いつでも使えるように血肉にしておくことが大事です。

そのためには、インターネットや新聞・テレビなどメディアのニュース記事によく目を通し、さまざまな知識を摂取し見聞を広めることです。
分野・テーマ別にキーワードを押さえ、どのようなトピックから出題されても動じないようにしましょう。

小論文のテスト内容

小論文テストの形式は、以下のように分類されます。


(1)テーマ型

短い問題文を読んで、自分の意見を自由に論述します。
設問の情報量が少ないため、受験者の知識量が問われます。

日頃から時事に親しみ、国内外の社会問題や科学技術の知識をアップデートしておくことが肝要です。


(2)資料分析型

与えられた図表やグラフをもとに、情報を正確に読み解いたうえで自分の意見を述べます。

棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフ・割合など頻出の資料に目を通し、資料から客観的に読み取れること、読み取れないことは何か、普段から形式に慣れておくことが大切です。

(3)課題文型

比較的長文となる課題文を読んだうえで、課題文を要約したり、自分の意見を論述します。
テーマ型や資料分析型と異なり、読解力と課題に関連する知識が要求されます。

日頃から最新の時事に触れて見聞を広めるとともに、読書量の豊かさも大事です。

(4)志望理由型

どうしてその大学や学部・学科を選んだのか、志望の動機や理由を述べます。

浅い理由や思いつきではなく、合理的な根拠がわかりやすく端的に述べられていることが望ましいです。
志望分野や志望校についての情報を丹念に調べ、自分だけのストーリーをまとめられるようにしておきましょう。

小論文の頻出テーマ


小論文のテーマは膨大にありますが、ほとんどの場合、事前の準備が必要になるのは、現代社会で一般的常識とされる時事問題にまつわるテーマです。

準備不足で最低限の知識すら入っていないと、あまり得意でないテーマが出題された場合、手も足も出なくなります。

頻出テーマの一部を以下にご紹介します。

少子高齢化

日本の社会問題の”一丁目一番地”と言われる「少子高齢化」にまつわるニュースを見ない日はありません。

ほぼ全ての社会課題がこの問題に繋がるとも言われるほど、我が国の中心的な課題です。

出生率などの基礎データ、原因や対策、結婚制度、医療費増大、女性の社会進出との関係、海外との比較など、あらゆる基本的な関連事項を抑えておきましょう。

・地球環境

いわゆる”持続可能な開発目標(SDGs)”で扱われている項目のうち、脱炭素社会の実現など、多くのトピックは「環境」にまつわるものです。

気候変動や、大気汚染・海洋汚染など生態系の破壊は、人類の生存にとって不可欠なエネルギーや食糧など資源の問題と密接に結びついています。

文明の進歩と環境保護の両立は、地球上で暮らす全ての人々が考えざるを得ない永遠の課題です。


・経済格差

人口爆発と共にますます広がる経済格差は、かつて目立った南北間や東西間の国外格差から、各国内の問題へと様相を転じています。

経済新聞や経済ニュースなどに日頃からよく目を通しておきましょう。

・憲法改正

投票権をもつ年齢に達すると、普段の身の回りの生活に直接関わりのないようにみえる事柄にも関心をもたなければいけません。

国民的な議論である憲法改正について新聞やニュースを読み、まずは賛成側・反対側双方の意見や立場を正確に理解することが大事です。

そのうえで憲法を改正すべきか、すべきでないかの意見を自分なりに表明できるようにしましょう。

・皇室の皇位継承

日本国の象徴である天皇の皇位継承は国家的問題のひとつです。
現在、女性天皇・女系天皇の是非が中心的な議題となっています。

現実の要請を満たしつつ、長年続いてきた歴史や伝統と現代的感覚をどのように融和させるかが焦点になるでしょう。

・グローバル化

ブレクジットやトランプ現象など近年の国際政治の動きは、かつてのグローバル化礼賛の流れから、グローバル化がもたらす負の側面を反映し始めています。

今後、国際秩序はどのように保たれるべきか、政治と経済の乖離をどのようにコントロールするか、論点は山積みです。

・宇宙開発

アメリカとロシアの二極対立構造から一転、近年は中国やインドの進出もあり、宇宙開発競争はかつてなく激化しています。

単なる政治的な思惑を超えた先に、人類は月面探査や惑星探査を今後どこまで拡大すべきか、地球環境の未来をも見据えた多面的な視点が問われます。

小論文のその他の対策

上記のテーマは一例ですが、他に小論文のテーマとして、志望する大学や学部・学科・専攻に関連する専門知識が問われることもあります。

当該分野の課題点や問題意識をわかりやすくまとめたうえで、新たな発見や解決法に結びつけるために、今後どのような方針・方策が考えられるかについて意見が求められます。

全ての専門用語について必ずしも深い知識を有する必要はありませんが、その分野で必須とされるキーワードをある程度押さえておくことが大事です。

総合型選抜小論文対策にはさくらOne個別指導塾

このように、小論文対策には沢山の準備が必要になるため、必要とされる実力を受験生が独力で身につけることはなかなか困難です。
やはり、実践的な指導を受けることが現実的です。

専門講師による小論文のマンツーマン指導は、総合型選抜対策の強い味方になります。
指導実績のある専門講師に自分の答案を読んでもらう機会を作り、模範解答を作成してもらったり、マンツーマンの添削指導を受けてみましょう。

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