中央大学附属高等学校の特色と入学するための受験対策
学校選びで最も大切なのは何でしょうか?もちろん学力、つまり偏差値は極めて重要です。
しかし中学校という義務教育課程を卒業し、将来を見据えて進学する高等学校は、お子様にとって非常に重要なステージです。安易な考えで学校を選び受験をして入学したものの、お子様が全く馴染めず辞めてしまうケースも少なくありません。
志望校選びで非常に大切なのは、その学校を知ることです。そして親御様はもちろん、受験されるお子様が納得した上で受験されることをおすすめ致します。
中央大学を系列にもつ附属高校は首都圏に何校かあります。
今回は、東京都小金井市にある中央大学附属高等学校(男女共学)を志望される親御様へ向けての学校情報と、合格を勝ち取るための受験対策についてお伝えします
学校の特色
教育理念
中央大学附属高校の合言葉と言えば、「自主・自治・自立」
この3つの真髄である126文字の基本ルールに基づき、幅広い基礎学力と教養を身につけながら総合力を養います。
*126文字の基本ルールとは?
「真の自由は、自己を律することによって得られる。集団の中にあっては、他者の自由と権利とを自己のそれと等しく認め、互にその義務を果たすことによって個人の存立が保たれる。個人が集団の規範に従うことは、この意味において個人の自由と権利を守ることにほかならない。」
教育目標
“高い知性と豊かな感性を持つ、心身ともに健康な、社会有為の人間を育成する”
この学び舎を巣立つときに生徒全員が達成すべきゴールであり、これは教育理念に基づき掲げられた目標です。
クラス編成やカリキュラム
中央大学附属は、高校からの入学生の他に、中学部から進学してくる生徒も多数います。
- クラス編成
高校1年生では中学からと高校からの入学生は別クラスとなり、2年生からは混合クラスとなります。
- カリキュラム(1年生~2年生)
*学問を意識:多様化する社会に適応できる“基礎学力”と“幅広い教養”を身につける。
*行事を意識:行事や部活動を通した他者との協力や様々な問題解決の力をつける。
- カリキュラム(3年生)
最後の学年では、志望進学先によって選択コースが分かれます。
*中央大学志望生徒→学部により文系または理系へ
*他大学併願受験志望生徒(*中央大推薦資格保持が可能)→文系または理系
(*私大志望:中央大にない学部・学科のみ。国公立大志望:いずれも問わない。)
*他大学への一般受験志望生徒→文系または理系
- 卒業論文(文系生徒)・卒業研究(理系生徒)
高校3年間の集大成として、この課題に全員が取り組みます。
卒業後の大学における学びを始め、将来設計や社会貢献などに意識を向け、己の未来を切り開くステップとして重要な学びとなります。
研究・行事・体験
心身はもちろん、他者との繋がりや未知分野の体験など、机上の学問だけでは得られない貴重な経験の機会が設けられています。
(例)
*文化芸術体験:古典芸能鑑賞や観劇など
*特別講座:中央大を始め、他大学の教授や研究者らの聴講体験
*国際理解教育の場:英国、ニュージーランド、台湾等などで交流プログラム体験
*SSH成果発表会:毎年2月開催。教養総合や社会科学、芸術など多岐に渡る研究発表
*研究旅行:各々が世界の実相としての*4テーマから選択し研究に迫る
(*GBグローバルフィールドワーク・PS Project in Science・TSトランスサイエンス・
GCグローカルフィールドワーク)
クラブ活動
運動部、文化部とも活発に活動しています。中学と高校の混合クラブもあれば、アメフト部やダンス部など、高校からのみ入部可能な部活も多々あります。また、ライフル射撃部などの珍しいクラブも視野に入れたいですね。
卒業後の進路
90%弱の卒業生が系列の中央大学へ進学します。
(2020年度):法学部が一番多く、経済、商、文、理工、総合政策、国際経営、国際情報の順になっています。残りの10%~15%の卒業生は国公立・私立と難関大学へ進学しています。
学校アクセス
・JR中央線「武蔵小金井駅」北口 京王バス「中大循環」にて「中大附属高校」下車
・西武新宿線「小平駅」南口 銀河鉄道バス「小平国分寺線」にて「中大附属高校」下車
制服
学校指定の制服はありません。
自由でありつつも、清潔感のある服装が好ましいとされています。
入学試験について
入試方法と日程(2022年度入学)
*一般入試(120名):2月10日
*一般公募制推薦入試(80名):1月22日
*帰国入試(1次若干名):12月21日、(2次若干名):12月22日
◎検定料は各々30,000円
出願方法
インターネット出願。(12月中旬より学校H.P.より必要書類をダウンロードして下さい。)
学費
高校1年時にかかる費用は以下の通りです。
*入学金:290,000円
*年間費(1年時):888,800円
(内訳)・授業料498,000円・施設費 280,000円・後援会費 23,400円・校友会費 9,400円
・学年費 78,000円
その他、教科書代や学校指定用品代等が別途必要になります。
入学試験対策について
中央大学附属高等学校の受験方法は3タイプありますが、いずれも3科目の受験となります。ここでは募集人数が一番多く、誰でも受験可能な一般入試の入試問題を分析しながら受験対策についてお伝えします。
- 国語(60分)大問は2つ
問題冊子は30頁程。時間配分とともにある程度の速読訓練も必要かと思われます。
- 長文(物語文)
漢字の問題を含め、全て記号で答える。(問は15問前後)
記号問題ではありますが、問いの選択肢自体の文が長いため、選択肢の共通する部分は飛ばして読むなどの工夫が必要です。
対策:比較的現代的な新しい小説や、中学生高校生レベルでも読めそうな内容からの出題ですので、話題のものや人気のある小説家の本に触れておくのも良いかもしれません。
- 長文(小論・説明文)
記号選択問題と記述式(問は6問前後)
物語に比べて長さも短いです。しかし説明文は論説的に書かれているため、一語一句の理解が必須となります。問われている答えを正しく導けるかどうかの内容理解がポイントとなるでしょう。
対策:地理や歴史的な内容を網羅しているため、予備知識があると内容把握が容易に感じると思われます。読解に費やす時間を短縮することで、問いに答える時間確保に繋がります。
小論・説明文は一般知識や教養、社会や理科など、普段から万遍なく興味を持って学んでいることが問題理解と正答率を上げるでしょう。
- 数学(60分)大問は4つ
問題冊子は8頁程度。
- 計算問題を含めた単発問題
(連立方程式、√計算、二次方程式、サイコロ確率問題、π使用の図形問題、角度計算など)
- 回転図形を使った表面積や体積問題
- グラフを用いた二次関数と座標問題
- 因数分解定理と計算
対策:計算問題に関しては、基礎学力を備え、練習問題をこなすことで確実に点数を獲得できるでしょう。その他の図形やグラフ問題も頭をひねるような難易な問題ではなく、公式や原理をきちんと理解していれば解ける問題が多いでしょう。
図形やグラフ問題はどこの学校でも出題頻度は高いため、苦手なお子様は集中して学びたい分野です。
- 英語(60分)大問は8つ
問題冊子は16頁程度。問題数がかなり多いため、リスニング問題以外の時間配分に
気を付けましょう。
- リスニング問題(①対話問題・②説明講義の内容問題)記号解答
- 長文問題(内容理解の10問を英語選択肢から各々選ぶ・内容一致問題)
- 長文問題(並べ替え・抜き出し・発音アクセント・指示語・内容理解選択など)
- 会話問題とグラフ(会話内容とデータグラフの照合から解答するもの)
- 品詞、イディオム問題(短文空欄穴埋め)
- 言い換え問題(2文1組で同じ内容になるような穴埋め問題)
- 短文並べ替え問題
- 英作文(与えられたテーマのタイトル(3語以上)と内容(15語以上)でまとめる)
対策:
リスニングは集中して聞くことはもちろんですが、2回ずつ放送されるので1回目で聞き逃しても慌てないことです。ラジオ講座やYouTube等、英語を耳にする機会を意識的に作っておくと良いでしょう。
長文問題は、最後にいくつか語彙説明が載っているため、知らない単語があっても慌てないでください。ただし基本的語彙の学習は必須です。
会話とグラフがセットになったような問題は、英語とグラフの同時理解が必要になります。
普段から様々なグラフ(資料やデータなど)を見ておくと良いでしょう。
品詞やイディオム問題は知らなければ解けないので、とにかく暗記を心掛け満点をめざしましょう。
英作文に関しては、英語はもちろん一人一人の発信力が試されますので、普段から物事への問題意識をもつことが大切ですね。
最後に
いかがでしたか?
中央大学へ将来進学したいというお子様には最適な学校です。
また教育理念にもあるように自主性を重んじ、自ら発信できるような力を養う素晴らしい学び舎と言えるでしょう。
また、都会の喧騒から離れ、心身落ち着いた環境で学びを深めていける学校です。