法政大学第二高等学校の特色と入学するための受験対策
こちらは創立以来男子校として運営されてきたのですが、近年共学化されたことでさらに人気を高めている学校です。そこでここでは法政大学第二高等学校の特色と受験対策について紹介していきたいと思います。
法政大学第二高等学校
法政大学第二中学校・高等学校は神奈川県川崎市中原区木月大町に所在し、中高一貫教育を提供する私立中学校・高等学校です。
法政大学第二高等学校の歴史
もともと法政大学は、1880年に金丸鉄、伊藤修たちによって設立された「東京法学社」を起源に持っています。「自由と進歩」という学風・精神を継承しており、新たな発想、自由な発想で真理を探求する「進取の気象」を重視して教育を行っています。
また、法政大学憲章では「自由を生き抜く実践知」を社会との約束として掲げ、「地球社会の課題解決に貢献すること」を使命と記しています。「法政大学第二中・高等学校」は、その法政大学の付属校として1939年に旧制「法政二中」として創立しています。
創立以来、男子校として人気を集めていましたが、2016年から共学化となり、2018年に共学化が完了しています。
法政大学第二高等学校の校風、教育理念
「学則第1条」に記されている教育理念は、
「本校における教育は、人格の完成をめざして国民的共通教養の基礎を築き、平和的で民主的な国家および社会の形成者を育成することを目的とする。」
というものです。
そして教育目標として以下のようなものを掲げています。
・人類および民族のあらゆる分野における歴史的・文化的遺産を体系的に学びとり、自然と社会、人間に対する認識を深める。
・獲得した認識を総合し、自然との共生・諸民族の共同など、人類社会のもつ諸課題と向き合う視野を培う。
・学ぶことの意味と喜びを知り、常に学問的好奇心を発揮し、生涯にわたって成長を遂げることのできる土台を獲得する。
・自己を客観化し、社会の中でどのように生きるかを考えることにより、一人一人が個性を獲得し、自分の生き方を自分で決める能力をつける。
・自ら諸課題の解決・現状の変革を担おうとする自主的精神と互いを尊重し共同での取り組みができる自治的な能力を獲得する。
・高い品性と社会性を身につけ、不正・腐敗を許さず、社会正義を確立する自律の力を獲得する。
法政大学第二高等学校の特色
法政大学第二高等学校は中学から大学までの「10年一貫教育」が掲げられており、基本的には中高一貫の学校となります。週に6日授業が行われており、クラブ活動に力を入れている学校でもあります。
運動部では、
テニス
ラグビー
ハンドボール
フェンシング
陸上競技
アメリカンフットボール
バレーボール
バスケットボール
などがあります。
文化部では、
放送部
吹奏楽部
合唱部
物理部
などが活動しています。
とにかく多くのクラブが全国大会や地方大会で活躍しており、硬式野球部は過去9回夏の甲子園に出場し、優勝2回、準優勝1回の実績があります。また、ハンドボール部は全国選抜大会で優勝しています。
学習に関しては、芸術を入学時に「音楽」と「美術」で選ぶこととなります。3年生になると「理系」「文系」に分類分けされます。
また、「ゼロ時間目」の授業として20分間の英語学習が行われているだけでなく、TOEIC Bridgeを年2回受験するようになっています。
進学については、進学要件を満たしていれば法政大学に進学できるようになっており、法政大学への推薦枠を確保したまま他の大学を受験することも可能となっています。
法政大学第二高等学校の受験対策について
法政大学第二高等学校では英語、数学、国語の入試が行われています。
ここでは教科別に対策について紹介していきます。
英語の受験対策について
試験時間:50分
満点:100点
系列校と同じく「読む・書く・聞く」をバランス良く聞いてくる問題となっていますが、読解問題の配点が大きくなっているので、その対策を充分にする必要があります。
リスニングについては英語検定3級程度の問題が多く出題されているため、そのレベルの問題をやりこんでおくと対策となります。また、リスニングの過去問を行う、ラジオ講座を聞くといったものも対策となります。
英文は一度しか読まれないために聞き逃さないようにしましょう。
配点の多くをしめる読解問題については、扱われる文章自体はそれほど難しいものではないものの、文章の分量が多いため速読の力も必要となってきます。ある程度、内容理解、英文解釈を慣れることができるような長文の問題集をやり込んでおくことが必要です。
これは設問の形式が違うものの、内容理解がベースになっているためまずは内容理解を優先させましょう。また、解説がしっかりとしたものを使うことで、より効果的に学習を進めていくことができるでしょう。
もう一つの特徴として説明的文章だけでなく文学的文章が多いというものもあります。
物語文では「人」「場所」「心情理解」に注意し、登場人物の関係性や場面転換をしっかりと押さえておくようにしましょう。文法や語彙系の問題については単語帳や語彙の問題集を一冊完成させていくことで対策がとれます。
ただ、出題形式がさまざまなパターンがあるので、どのような形式で出されても対応できるように過去問などで慣れておきましょう。
英語全体を通して読まなければならない文章の量が多いので速読を身につけること、知識を付けながらもどのような問題でも対応できるようにしていきましょう。
数学の受験対策
試験時間:50分
満点:100点
法政大学第二高等学校では出題されやすい分野がはっきりしているという特徴があります。関数、平面図形、立体図形、場合の数・確率の分野から多く出題されており、これらの分野については確実に押さえておきましょう。
また、試験の序盤には計算問題が出題されており、基本的な計算問題を早く確実に解けることが求められます。
最初は計算問題、一行問題、小問集合となっています。ただ、基本的には標準レベルが多いので、落ち着いて対応すれば確実に点数を稼げる部分と言えます。
他の大問についてもそれほど難易度は高くないものの、問題数が多いということもあって要領よく解いていく必要があります。
途中式は必要ないので答えをスムーズに出せるようにやり込んでいきましょう。
注意するとすれば、それほど難易度が高くないため平均点が高くなることがあるということです。高得点になりやすいので、ミスによって点数を落とすと大きなダメージとなってしまいます。
国語の受験対策について
試験時間:50分
満点:100点
法政大学第二高等学校の国語の特徴として「古文」「漢文」が出題されないということがあります。出題は現代文が2題、これは論説文の説明的文章と小説もしくは随筆の文学的文章となっています。
また、その他に漢字の読み書きを含む総合的知識問題1題が出ており、合計で3題となっています。ただ、文章の分量が年度によって大きく変化しています。
7000字程度で落ち着いていたのですが、共学化された2016年には大きく増加しました。しかし翌年には7000字程度に戻ったり、一気に分量が増える年度もあります。どれくらいの分量でも対応できるようにしておきましょう。
設問数は30~35問ほどで安定しており、選択肢、空所補充、抜き出し、語句記述、説明記述など色々な出題形式です。説明記述は毎年出題されているので記述形式での答え方にも慣れておきましょう。
2016年の共学化以降、問題が難化傾向にあるものの、平均点は高くなりつつあるというようにかなり競争が厳しくなっている教科だと言えるでしょう。