八王子の個別指導塾が教える都立入試社会科対策

八王子さくらアカデミーの自慢の関 明夫 先生が教える都立入試社会対策です。八王子の都立高校志望の受験生だけでなく、受験を控えた中学生もぜひ読んで対策をしてください。

都立高校の社会の入試問題には、正解を出すための攻略点があります。それを知り、得点力をUPしましょう。

攻略点1.単純な知識事項は、初めのほうに出題される。

地図に道順を描くような問題は、「よく考えればできる」タイプの問題ですが、「三審制」という言葉を書かせたり、「普通選挙」という言葉を選ばせたりする問題は、「覚えているかいないか」です。社会に限らず、どの教科でも知識事項の暗記問題はなるべく短時間で解き、頭を使う問題に時間をかけるようにしましょう。

攻略点2.不要な部分を読まない

大問の初めにある□に囲まれた文章。読まずにいきなり問1、問2を読んでも解ける問題がほとんどです。また、初めに略地図が出ていながら、実際に問題を解くときには地図を見なくても解ける問題が出ていることがあります。まず問題文を読んで、不要であれば地図は見ずに解いて無駄な時間をなくしましょう。
●ここまでは、時間短縮の話です。そうして時間を短縮して、じっくり考えれば正解が出せる問題を解いていきます。
●社会は確かに暗記が基本の教科ですが、じっくり考えれば正解が出せる問題が多く出されています。

攻略点3.長い選択肢をきちんと読む

「きちんと読む」というのは、ゆっくり読むことではありません。流し読みでよいので、全体にざっと目を通してください。都立高校の社会の問題の選択肢は、長い文章で書かれています。読むのが大変そうに見えるのですが、実は長ければ長いほど多くのヒントが含まれています。大問4の問1では、ア~エの時代順を問う問題があるのですが、平成 28 年の正解である選択肢には、「奈良時代」を見分けるために以下のキーワードが含まれています。「シルクロード経由の美術工芸品」、「聖武天皇」、「光明皇后」、「東大寺正倉院」。どれか一つで、なんとなく奈良時代だと思えばそれで正解が出せます。
●ここで、要注意事項。選択問題というと、間違っているものの中から正しいものを選ぶという形式が多いのですが、都立高校の入試問題は違います。選択肢に書かれている文章はすべて正しくて、その中から条件に合うものを選ぶ問題が多いです。「内容が正しい」という基準で選ぶと、失点の可能性が高くなります。

攻略点4.グラフや表を使った問題

グラフや表から読み取れることを選ばせる問題では、必ずグラフに大きな特徴がある部分が出題されます。平成 29 年の大問5の問3では、「経済成長率の推移」のグラフが出されているのですが、問題に関係あるのは経済成長率が急激に落ち込み、また戻る 2007 年から 2011 年にかけての部分です。選択肢の中の「証券会社の破たん」、「世界金融危機」、「景気が後退」、「企業の空洞化」、「景気の安定を目指した国債」、「短期間の景気回復」といったヒントから正解を選ぶことができます。グラフの目立った特徴に関係あるキーワードを見つけられれば、正解が出せます。

攻略点5.本当は易しい記述問題

社会の記述問題については、「考えて解くタイプの問題」と「時事的な話題に沿った問題」の2タイプ
があります。分けて説明します。

1)考えて解くタイプの問題

平成 28 年の大問4問3では、地図や資料を参考にして、以下のような模範解答を書く問題が出されています。「主に琵琶湖の水上路を利用して、日本海側の地域から大津と坂本まで運ばれた物資を、馬で京都まで輸送すること。」東京都の教育委員会が公表している「採点のポイント」には、以下のように記されています。

「○日本海側の地域から大津と坂本に物資が運ばれた経路について、琵琶湖の水運に着目して、適切に書かれている。○大津および坂本と京都間における馬借の活動について、適切に書かれている。」
この問題では、「地図」と二つの「表」に模範解答に書かれている内容は全て明記されています。その内容を上手にまとめれば、正解を出せます。

2)時事的な話題に沿った問題

数年分の模範解答を見ていくと、「環境問題」、「少子高齢化」、「日本の競争力」などの問題に沿って書いていくと正解になることがわかります。
●「温室効果ガス削減の国際公約を実現するために、二酸化炭素排出源として大きな割合を占める電気やガソリンの消費を抑制する製品等の購入を促した。」(平成 25 年、環境)
●年金受給者の割合が増加する一方で、被保険者の割合が減少するため、給付と負担のバランスをとることがますます難しくなる。」(平成 26 年、少子高齢化)
●「総人口の現象と少子高齢化の課題があるため、町外から若年層の定住者を増加させることを目的としている。」(平成 27 年、少子高齢化)
●「65 歳以上の年齢別人口構成の割合の増加に伴って増える社会保障給付費は、社会保険料による収入額を上回り、その差は拡大している。」(平成 28 年、少子高齢化)
●「高齢者の割合が増加しているA村は、山間部にあるため、唯一のガソリンスタンドが廃業すると、高齢者などが村外のガソリンスタンドへ行くのに遠くて大変になるから。」(平成 29 年、少子高齢化)
●日本の世界競争力の順位が下がる中、海外への留学者数を増やし、英語力のアジア内順位を上げている中華人民共和国と大韓民国は、日本と異なり、世界競争力の順位を上げているから。」(平成 29年、日本の競争力)
どの年の問題も、現在の日本が抱えている問題を中心に解答をまとめた形になっています。こうしたことを意識して、解答を作成していくようにしましょう。
●記述問題の採点のポイントに関しては、都の教育委員会が示したものをもとに、高校ごとに部分点の付け方を決めます。

実際の入試問題を解いていて、「ここはどう考えたらよいのだろうか」と迷うような部分があれば、相談に来てください。

八王子さくらアカデミー数学科主任 関 明夫